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国民も自由も押さえつける、それが安倍政権の本分?【 下がり始めた政権の支持率 】

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所要時間 約 10分

日本の一般市民たちはもはや、もの言わぬ羊の群れではない
特定秘密法の成立は、公開の場における意見の交換などほとんど行われる事なく、一方的に進められた
特定秘密保護法の不人気を見て、直ちに経済政策に戻ってみせた安倍首相の変わり身の早さ
時計の針を逆に回し、日本を自由主義憲法以前の形に戻す!それこそが長年の宿願

エコノミスト 12月14日

秘密保護法08
もはや政治が国民の意思や希望を体したものではなく、民心が離れきっている日本で、昨年12月に二度目の首相に就任した安倍首相率いる内閣の支持率だけは気味が悪いほど高いままで推移してきました。

安倍首相を支持する人たちは、長い間苦しんできた経済停滞から日本を引きずり出そうとする、その姿勢を何よりも高く評価しています。
 
しかし12月6日、安倍政権は国家機密の漏洩、内部告発など広範な行為を「犯罪」とし、その上で厳罰を科す特定秘密法を、国民の多数の反対を押し切る形で強引に国会を通過させました。
その瞬間、安倍政権の支持率は転落への道を辿る事になりました。
安倍首相は2007年、政策の上での失敗を繰り返して首相の職を辞任せざるを得なくなりましたが、二度目の今度は就任からちょうど一年で復帰以来の輝きを初めて失う事になりました。

日本が実行支配している無人島を含む形で中国が東シナ海で新しい防空地帯を宣言した直後、特定秘密法案は参議院で投票が行われ成立する事になりました。
この法律は国家の安全保障体制を強化するためには、国家機密に関して厳格な法律を定める必要があるという安倍首相の持論に基づくものであり、その権能を強める事につながります。

特定秘密 5
日本の最大の同盟国であるアメリカは、日本の政府当局と自衛隊関係者の秘密保持能力の低さに対し、長年不平を言い続けてきました。
今回の特定秘密保護法の成立により機密漏洩や内部告発などに対しては、現在懲役1年の最高刑が一気に10年まで引き上げられる事になります。

一般国民は激しく反発しました。
言論の自由を守ろうとする団体、そして新聞社などは言論弾圧が現実となってしまう事を何よりも恐れています。

しかし与党自民党は、本会議に先立つ委員会では反対する委員たちをひとまとめにして袋の中に放り込み、本会議では数の力を背景に有無をいわせず法案を設立させ、微弱な野党の抵抗は潰え去りました。

この法案の成立は、公開の場における意見の交換などはほとんど行われる事なく、一方的に進められました。
法案の立案には賛成していた維新の会は、審議を急ぎ過ぎるとして投票は棄権に回りました。
同じく共同で法案を提出していたみんなの党は、以前からの党内の分裂の危機がこの法案の投票をきっかけに表面化することになりました。

秘密保護法05
複数の世論調査の結果は、今回の法案を成立させたことで、安倍政権の支持率が一気に5割を切ったことを伝えています。
それでもここ数年の歴代の内閣と比較すれば支持率はまだ高い方ですが、これ以上下落することになれば政権運営に支障をきたすことになるでしょう。
法案が原案通り可決された後になって、安倍首相は国民に対する説明が不足していたことを認めました。

法案は来年にならなければ施行されません。
政府はこの間に国民の反対意見が鎮静化することを望んでいます。
尖閣諸島をめぐる中国との領有権争いを始め、外交面において緊迫した状況が続く東アジア地区にあって、国家の安全保障の確保のため国民がある程度の制約を受けることを受け入れざるを得ない、そう考えることになるだろうと見ています。

秘密保護法 1
しかしこの法律には左派系、リベラル派だけではなく、中道の多数派も反対の立場を明確にしています。
団結力の強い組織力を誇る保守系の日本医師会、歯科医師会も、12月5日、この法律に反対する記者会見を開催しました。
31名の科学者・研究者からなるグループもこの法律を「戦後の日本の民主主義に対する過去最大の脅威」であるとし、反対の立場を明らかにしました。
共同通信社が行った世論調査では、調査の対しようとなった日本人の5分の4が、内部告発者やジャーナリストを厳しく罰しようとするこの法律が改正されるか、廃棄されることを望むと答えています。

これ以上批判が強まるような事態になれば、安倍政権は批判を鎮めるため何らかの対応を迫られることになるでしょう。
法案の成立のため、何が国家機密にあたるか打倒に判断を行うため、政府は第三者機関の設置を約束せざるを得なくなりました。

特定秘密 1
さらには内閣の大臣間でも何が国家機密に該当するのか見解が食い違っていることが明らかになり、この法律に対する不信感はいやがうえにも増すことになりました。
どのような報道を行なえばジャーナリストが処罰されないのか、そのためのガイドラインを作る事も提案されましたが、それも撤回されました。

そして与党自民党の石破幹事長がブログで、抗議活動を行っている市民たちをテロリスト呼ばわりし、事態は一層悪化することになりました。

あまたの批判をかわす意味合いもあり、安倍首相は経済問題に的を絞った発言と行動に素早い変わり身を見せました。

しかし来年はいよいよ戦後日本の根幹となっていた平和主義から日本を引き離し、同盟国が攻撃を受けた場合には日本が参戦できるよう、憲法についての解釈を変更することに取り掛かるつもりでいます。

しかし安倍首相の本音はもっと先にあります。
1946年、アメリカの管理下で成立した、自由主義を原則とする現在の憲法を書き換えてしまう事です。
時計の針を逆に回し、日本を自由主義憲法の以前の形に戻そうとしています。

安倍甘利
しかし安倍首相のそうした動きは、彼が成立させた国民にとってははなはだ窮屈な特定秘密保護法と同様、政権の人気回復にはどんな貢献もしないことでしょう。

http://www.economist.com/news/asia/21591627-unpopular-new-secrecy-law-dents-prime-ministers-popularity-potent-protests?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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毎回のことながら、エコノミストの風刺のきいた記事には感心させられ、翻訳していて自分もリズミカルに作業を進めることが出来ます。

それにしても世界の目線が日本の市民目線と同じことにホッとする思いです。
それがこのエコノミストを始め、英国ではガーディアン、インデベンダント、アメリカではニューヨークタイムズ、ワシントンポストなど、そして【星の金貨】ではご紹介していませんが、フランスAFPなども特定秘密保護法を自由主義社会への挑戦、と見る立場は一致しています。
なぜ世界の世論は一致しているのでしようか?
これら一流のメディアは、共通して新聞は市民のメディアだという理念を持っているからだと思います。

安倍政権の防衛力強化=軍事力強化路線を支持する立場からは、平和路線を貫こうとする立場に対し、『日本人の平和ボケ』という罵声が浴びせられます。
それを聞いていると平和を希求することの方が、何やら特異な行為のように思えたりもしますが、実は罵声を浴びせている方こそ世界市民的視線からは異端児であることが解りました。

しかし日本のメディアの中で、その異端児的思考を煽る一部大手新聞、テレビ局とはいったい何なのでしょうか?

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宇宙からの視点【 画像刷新、有名な『地球の出』写真 】

アメリカNBCニュース 12月23日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

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1968年にアポロ8号が撮影した有名な写真『地球の出』に、NASAの月探査衛星が撮影した最新の映像を組み合わせ、高解像度の鮮明な写真が出来上がりました。(写真上)

7つが衛星中継する環境科学事務庁によって、1968のアポロ8の有名な「地球の出」イメージは、NASAのLunar Reconnaissance Orbiterからの高解像度月のイメージ、NASAのBlue Marbleデータセットで表される地球の表面と1968年12月24日に捕えられる雲イメージを混合することによって再形成されました。

ランドサット7号が撮影した、カルマン渦列の名で知られるアリューシャン列島(千島列島)上空の渦巻き状の雲。2002年7月4日撮影。(写真下・以下同じ)
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学術的な観点。欧州気象衛星機関の気象衛星が送って来た白黒の写真に示された、12月の当時直前、正午の地球の明暗境界線。
地球の傾きのために、12月は南半球の方が北半球より多くの陽の光を受け取ることを表しています。
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欧州宇宙機関のEnvisatエンビサット衛星がとらえたアイスランドのウェストフジョード半島のレーダー画像、少しばかりクリスマス・ツリーに似ています。
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12月8日、NASAの地球観察衛星1号が撮影した新しい火山島、新島の写真。
隣はもう一つの火山島である西島。噴火によって吹き上げられた沈殿物により、島の周囲が明るく見えます。
白煙が海の上を漂い流れています。
cosmo5

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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