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【 フクシマ : 私たちが学びそこねた教訓 】《前篇》

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所要時間 約 7分

フクシマ、それは原子力発電所事故の犠牲の大きさ・放射能汚染の深刻さを一言で表現する世界共通語、
福島第一原発の事故は私たち世代の進路を変えた、決定的かつ世界的出来事のひとつ

デイブ・スウィーニー / ガーディアン 3月10日

2016
ちょうど今から5年前、世界は息を殺しせわしなく指を組んだり離したりしながら、ひとつの新しい言葉を学びました。

フクシマ。

本来日本の県のひとつ、あるいは地方都市の名前に過ぎないこの言葉は、原子力発電所事故の犠牲の大きさと汚染の深刻さを一言で表現する世界共通語になったのです。

福島という日本語の意味は「幸福に満ちた島」というものですが、福島の運は2011年3月11日、原子炉の中でメルトダウンしてしまいました。

津波によって重要な冷却システムを破壊されてしまった3基の原子炉がメルトダウンを起こした福島第一原発は制御不能に陥り、大量の放射性物質を環境中に放出、こうして福島第一原発の事故は私たちの世代における、決定的、そして世界的出来事のひとつとなったのです。

この事故はひとつの分野において、その方向性を決定的に変える必要があるという事実について、世界に警鐘を鳴らす出来事となりました。
この事故の原因を作りだしたのは複数の国々であるというべきですが、福島第一原発でメルトダウンした核燃料を供給し、現在も世界に原子力発電の燃料を供給しているオーストラリアも、深く潜行する関連性を認識しないわけにはいきません。

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3月11日に発生した東日本大震災の巨大地震と津波は、東北地方の太平洋沿岸部のほとんどに、壊滅的な打撃を与えました。
そして東京電力が経営する福島第一原発の安全装置とバックアップシステムを完全に破壊し音発生した事故は人命の喪失につながり、大量の住民避難、何兆円規模の経済損失、そして大気、土地、海洋の大規模汚染へと拡大して行きました。

危機は現在も続いています。

日本政府の原子力規制当局は、今後40年以上続くとされる事故収束・廃炉作業の中で、現在も続いている放射性物質の放出、増え続ける高濃度汚染水と放射性廃棄物をどう管理するかの問題について、今後積極的に関わっていかなければならないだろうことを確認しています。
さらには東京電力の事故当時経営に携わっていた役員に対する「業務上過失致死、同傷害」の訴訟についても監視していかなければなりません。

2012年8月、私は事故の査察を目的とした国際的な公衆衛生専門家の派遣代表団に加わり、福島第一原発の事故現場に入りました。
私たちは事故によって祝福が不可能な程、人生と生活を破壊されてしまった人々と会い、話を直接聞くことができました。
そして人々も、将来の希望も、ともに消えてしまったいくつもの町や村を車で走り抜けました。
仮設住宅では、もう二度と生まれ故郷には戻ることができないという初老の原発難民と会いました。

NBC03
私たちは個人としての勇敢さに縁どられながらも、多くの人間の無関心さにさらされているゲンパツ難民たちの話を幾度となく聴きましたが、その脇ではいつもガイガーカウンターの不気味な音が鳴り続けていました。

一項の中にいた酪農家であり、もはや生産した牛乳を売ることが出来なくなった長谷川健一氏は、
「福島で起きたことを、私たちは絶対に忘れないようにすることが必要です。」
と語りました。

長谷川さんの生活と生計を取り返しのつかぬまで破壊してしまった事故の背後には、黄色地に黒でマークをつけられた大量の核燃料の存在があり、オーストラリアはその生産国として関わり合いを否定するわけにはいきません。

2011年10月、オーストラリア議会はその手抜きと怠慢によって世界に悪名をとどろかせた東京電力に核燃料を提供しているのがオーストラリアであること、そして事故発生当時、福島第一原発内に大量に保管されていたのは正真正銘オーストラリア産の核燃料であったことを確認しました。
福島第一原発周辺に大量に放出された放射性物質の源は、オーストラリア産のウラン鉱石だったのです。

FR24 破壊された福島第一原発
福島第一原発の3基の原子炉の中で溶け落ちた核燃料がオーストラリア産であることが確認され、果然、オーストラリアは世界の核燃料取引の中における自国の役割について再考を促され、かつ取引形態についても見直しが行なわれることになるものと思われました。

国連も同様の見解を持ちました。
国連事務局長は2011年9月オーストラリアに対し、
「ウラン鉱石の採掘に関し、地元の地域社会と生態系に与える影響の大きさについて徹底分析と評価を行うこと」を依頼したのです。

こうしたことはかつてなかった事です。
しかし今やその事を明確に求められることになりました。
そしてオーストラリアのウラン鉱石産業は、いくつかの分野で延び延びになって来た詳細な調査の実施と報告を求められることになります。

オーストラリアのウラン産業の最も最近の調査は、2003年10月の上院の質問に基づくものでした。
この時明らかになったのは環境汚染や環境破壊問題についての過小評価と客観的調査データと基準の欠落、企業コンプライアンスの欠如という産業界の特徴、そして近視眼的経営姿勢でした。

〈 後篇に続く 〉
http://www.theguardian.com/commentisfree/2016/mar/11/fukushima-five-years-on-and-the-lessons-we-failed-to-learn
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この稿は本来4月4日月曜日に公開の予定でしたが、掲載記録を確認すると3日日曜日に公開されていたようです。私の手違いによるものです。
後篇については6日水曜日に公開いたします。よろしくお願いいたします。
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【 つかの間の春の宴 : ワシントンDCの桜 】

アメリカNBCニュース 4月1日

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アメリカ国立公園局によれば、首都ワシントンの桜は3月25日に満開になりました。

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http://www.nbcnews.com/slideshow/farewell-cherry-blossoms-d-c-says-goodbye-brief-bloom-n549286

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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