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【 フクシマの教訓と向かい合う世界、国会事故報告書を放り捨てた日本 】NYT

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所要時間 約 8分

『国会』事故調査委員会であったにもかかわらず、日本の国会は原発に対し、具体的な提案も要求も行わなかった
充分な教訓も引き出さないまま、もはや国会事故報告書を振り返ろうともしない日本人
原子力規制委員会は原子力産業界の利益誘導、そして政治的思惑から独立した活動をおこなっているのか?

ニューヨークタイムズ 8月3日

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米国科学アカデミーは、世界中で原子力発電を行っている事業者が2011年に発生した福島第一原子力発電所の事故から学び取るべき教訓の中、主要なものをまとめ上げました。

第一の教訓、それは原子力発電所の外で発生する不慮の事態に備えることです。
福島第一原発の事故では巨大地震と地震によって発生した巨大津波により、発電所の内部、そして外部の電源がすべて失われ、原子炉を冷却する装置がすべて機能しなくなる事態に陥り、結果原子炉のメルトダウンと環境中への大量の放射性物質の放出が起きました。

マグニチュード9.0の地震と巨大津波、すなわち東日本大震災による甚大な被害と福島第一原発は無関係でした。
米国科学アカデミーは東日本大震災の被害の規模について、18,800の人命が喪われ、126,000を超える建物が倒壊し、100万棟以上の建物が損害を受けたという警察発表を引用しました。
しかし福島第一原発の施設内では死亡、あるいは直ちに放射線障害を発症する程の放射線被ばくをした職員はいませんでした。
福島第一原発の施設外で暮らしていた人々の被ばく線量もおおむね低いものであり、したがってこれ以上の被ばくが続かない限りは将来に渡ってもガン発症の危険性が高まることはないでしょう。

放射線測定
しかし、原子炉から放出された放射線は福島第一原発の周囲を始め、広範なエリアを汚染してしまいました。
その結果半永久的に元いた場所には住めなくなった、いわゆる原発難民は140,000人という数に上ってしまったのです。
その殆どの人々が未だに自宅に戻ることができません。

福島第一原子力発電所の事故については、日本人自身が国会事故調査委員会を組織し、広範な体系的な調査を行いました。

しかしそこから充分な教訓を引き出さないまま、今や日本人はこの報告書を振り返ろうともしません。

今回この報告書を検証した20人の臨時の専門家の委員とそのサポートを担当した技術スタッフは、残念ながらこの報告書を細部まで読み解くだけの日本語の語学力を持ち合わせてはいませんでした。

しかし国会事故調査報告書が指摘したにもかかわらず、日本においても世界においても原子力発電所の運営方法の根本的な変更は行うよう、議会が求めることはありませんでした。

しかし米国科学アカデミーの委員会はアメリカにおいて、安全性を高めるための原子力発電所の設計変更と、原子力発電所が現状のままで安全を確保できるのかどうか改めて検証を行う事を提案しています。

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この米国科学アカデミーの委員会は、予測できない災害の発生に備えて採ることが可能な、そして採るべき措置について各種の提案を行いました。
アメリカの原子力産業界はすでにこのうちのいくつか、予備電源設備と冷却水設備の追加、深刻な事態への対応に不可欠な機器を多数あらゆる場所に設置することなどは対応済みです。

米国科学アカデミーは、最初にとられたこれらの措置がどの程度の効果を発揮するか、その判断をするのは早急に過ぎるとの見解を示しました。
それはつまり、壊滅的事態が起きた際、これらの設備が有効に機能するかどうかは、その時になってみなければ解らないという事でもあります。

しかし最終的な結論は明らかです。
一般市民の安全は、原子力産業界が福島の教訓に基づく具体的対策を着実に実行するかどうかにかかっています。
その事はまた、原子力規制委員会が積極的に、かつ政府から独立した権能を発揮しなければならない理由でもあります。
原子力規制委員会は原子力産業界の利害誘導に取り込まれる事無く、厳格な規制・監督を行わなければなりません。


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それ程長い記事ではありませんが、私たち日本人にとって極めて重要な事が取り上げられています。
国会事故調査委員会の報告書を、なぜ日本人は忘れ去ってしまったのか?という世界からの問いかけです。

国会事故調査委員会の報告書は世界のメディアが『これはほんとうに日本の官制報告書か?』と疑うほど鋭い指摘が随所に見られ、今振り返れば公表前からニューヨークタイムズなどが記事中に引用する程完成度の高いものでした。

それを日本人は捨てた…

結果を見れば、真実から目をそらし、根本的な解決など考えたくもないというのが日本の選択になってしまいました。

明日10日(日)は休載日です。
よろしくお願いいたします。

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【 2014年7月の宇宙傑作写真 】《2》

アメリカNBCニュース 8月1日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

SPC07
この広大な宇宙の写真はハッブル宇宙望遠鏡のデジタイズド・スカイサーベイ2型とMPG/ESO2.2-メートル望遠鏡が撮影したデータを合成して作られた、ケンタウルスA楕円銀河の写真です。
天文学者が分析した結果、ケンタウルスA楕円銀河のハロー(星の集まりおよびその周辺の光を発する物質から構成される薄い円盤状の構造)が、当初考えられていた物よりもかなり大きなものであることが解りました。(写真上)

7月23日に欧州南天文台が公開したNGC 3293星団の写真です。
拡大し続ける塵と高温のガスの中で、誕生したばかりの星が明るく輝いています。
チリに設置されたラシイラ天文台でノMPG/ESO2.2-メートル望遠鏡の広角映像機を使って撮影されました。(写真下・以下同じ)
SPC08
スペインの街、オルベラ上空のスーパームーン。7月12日撮影。この日は夏の間3回ある満月の夜の、最初の夜でした。
SPC09
NASAの地球温暖化観測衛星(OCO)2号を打ち上げるため、カリフォルニアのバンデンバーグ空軍基地の発射構に据えられたデルタ・ロケット。6月30日に長時間露出によって撮影された写真。
この後OCO2号は7月2日に発射され、二酸化炭素の世界的な分布状況を測定することになっています。
科学者はこの観測により、温暖化の状況が明らかになることを期待しています。
SPC10
NASAの宇宙飛行士リード・ワイズマンは7月24日に国際宇宙ステーションからこの写真をツイッターにアップし、こうツィートしました。
「宇宙の闇の中の太陽の輝きは、たった一瞬であっても人間の目で見るにはあまりに強烈です。」
SPC11
六角形の土星の北極の渦が、はっきりと写しだされたこの写真は4月2日にカッシーニ衛星によって撮影され、7月7日に公開されました。
背景に土星の輪が巨大に写しだされていますが、土星自身の影によって断ち切られたように見えます。
SPC12

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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