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【 フクシマのニホンザルの血液異常、そして福島第一原子力発電所 】

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所要時間 約 9分

福島エリアの霊長類、体内に放射性セシウムの存在を確認 - 白血球、赤血球数が不足
年若いニホンザルほど体内の放射性セシウムの蓄積量が多く、白血球数も低下していた

デミアン・キャリントン / ガーディアン 7月24日

ニホンザル
2011年に発生した福島第一原子力発電所の事故により、周辺の地域には大量の放射性物質が放出されましたが、それが人体にどのような影響をもたらすかを解明する上で役立つかもしれない研究結果が公表されました。
この地区の野生の猿に血液異常が発生していることが確認されたのです。

血液中の白血球数、赤血球数、そしてヘモグロビンの値が異常に低いニホンザル(Macaca fuscata)が福島第一原発の事故の影響を受けた地区で複数確認され、調査に携わった研究者はあたかも感染症が拡大するようにその分布が広がっていく可能性が考えられると語っています。

しかしこの研究に批判的な立場の人々は、ニホンザルの血液異常と放射線被ばくの関連を証明する確かな証拠は存在せず、血液異常を起こす程サルたちの被ばく線量は高くはないはずだと指摘しています。

今回の研究では福島第一原発から70km圏内に棲息している61匹のニホンザルと、400km離れた下北半島に棲息する31匹のニホンザルを比較する形で進められました。

福島のニホンザルは体内の赤血球数、白血球数がともに低く、生息地の汚染レベルに比例した放射性セシウムが体内から検出されました。
一方下北半島に棲息するサルからは放射性物質は検出されませんでした。

NBC23
日本獣医生命科学大学の羽山伸一教授はガーディアンの取材に対し、ニホンザルは積雪が多くエサの少ない冬の間、木の芽や樹皮をエサにする傾向があると語りました。
木の芽も樹皮も、これまでの様々な調査により、環境中の放射性物質を貯めこむ性質がある事が確認されています。

「人間以外の霊長類から得られた初めてのデータであり、ニホンザルは分類学的に人間に近いとされています。である以上、今回の調査研究結果は、放射線被ばくにより人間の体がどのような影響を受けるか、その研究に貢献できるはずです。」
羽山教授はこう語りました。

今回の研究結果は科学雑誌ネイチャーの学際的電子ジャーナルであるサイエンティフィック・レポート( http://www.nature.com/srep/index.html )に、技術的に妥当で、各分野の専門家の関心を呼ぶような論文であると判断され、掲載されることになりました。
今回の研究では血液異常の原因として、病気と栄養失調は除外されました。

白血球数の減少傾向は、成年に達していないニホンザル程著しく、体内の放射性セシウム濃度も高いことが確認されました。
この調査結果は、年若いサルほど放射性物質による健康被害が大きくなることを示唆しているものと考えられます。

FR2401
羽山教授は次のように指摘しました。
「人間が放射性物質に汚染された場所での生活を続けることによって低線量の放射線を長期に被曝することになり、その結果白血球数・赤血球数の減少という血液異常が発生することは、すでにチェルノブイリにおいて報告されているのです。」
しかしこの他の血液の検査数値は、体内の放射性セシウムの蓄積量と相関関係にはありませんでした。
数値は季節によって変動したのです。

ロンドン王立カレッジのジェラルディーン・トーマス教授は、チェルノブイリでの研究結果は「科学的に有効性が認められていません。」と語った上で、今回の血液異常と放射性セシウムの相関関係に関する福島の研究結果も、統計学的に見れば不十分なものだと指摘しました。
「残念ですがこの調査研究も、放射性物質が人体に与える影響、そして放射性物質と健康被害の関連についての完成度の低い報告書であると言わざるを得ません。」
トーマス教授は人間は猿とは異なり、福島第一原発周辺の放射性物質に汚染された食物を口にしないよう、予防措置をとることが出来るという点について言及し、
「人間の場合、放射線そのものではなく、放射線に対する恐怖が健康被害を生むという事実がある点について、留意する必要があります。」
と語りました。

もう一人、この問題についてポーツマス大学のジム・スミス教授がこう語りました。
「私は今回の研究の主張について非常に懐疑的です。福島圏内に棲息するニホンザルの体内の放射性セシウムのレベルは、チェルノブイリ事故が発生した際、英国国内のヒツジの体内で確認されたものとほぼ同レベルで、動物の被ばく線量としてはかなり低いものです。私は今回の血液異常の原因として、放射線被ばく以外の何らかの原因による可能性の方が高いと考えます。」

FR24 破壊された福島第一原発
羽山教授は体内に蓄積されたセシウムの量は、その猿がどの程度の放射線被ばくしたのか、その目安として使うことが出来ると話しました。
「したがってニホンザルの体内で確認された血液の各数値が低いという事実は、何らかの放射性物質に原因があると考えることが可能です。」
「私たちは赤血球数、白血球数などの数値が低い原因が、セシウムだとは結論づけてはいません。しかしそれ以外に合理的な説明を見つけることができないことも事実なのです。」

福島第一原発の技術者たちは現在、凍土壁を作り上げることにより、増え続ける放射能汚染水の問題を改善しようと取り組みを続けています。
一方、1990年代からイギリス国内で行われた健康調査では、正常に稼働している2か所の原子力発電所の周囲で、子供たちや幼児の間でガン発生率の上昇は認められませんでした。

http://www.theguardian.com/environment/2014/jul/24/japanese-monkeys-abnormal-blood-linked-to-fukushima-disaster-study
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上記の記事は結論が微妙なまま終わっていますが、大切なのはこうした事実の報告を私たちが記憶にとどめておくという事だと思います。

このブログの顧問をしていただいている弁護士さん(社会派弁護士として高名な方です)に先日、「世界に対する報道の窓を、常に開けておいてくださいね」と励まされましたが、その意味では甲論乙駁、皆さんが考え思うための『素材』の提供を、これからも可能な限り続けていきたいと考えています。

そして下記の写真の子供たちの目に湛えられた無限の悲しみをご覧ください。
戦争とは何かを見てきた彼らのこの目が、戦争の真実を伝えているのではないでしょうか。

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【 戦争の代償 : 難民キャンプでの暮らしを強いられる子どもたち 】《1》

アメリカNBCニュース 8月2日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

SYR01
ヨルダンのマフラクにあるザータリ難民キャンプに行けば、隣国シリアで行われている内戦という名の戦争がどれ程残酷なものであるか、それを幼い子供たちの表情から読み取ることが出来ます。

18才未満の50,000人以上の年若い難民たちは、広大な砂漠の中に設営された吹きさらしのキャンプを我が家と呼ばなければなりません。

ザータリ難民キャンプで暮す10歳のアマル、2014年7月29日撮影。(写真上)

ザータリ難民キャンプで暮す5歳のサマハ。
ユニセフの調査によれば、シリアには280万人の就学年齢の事もたちがいますが、そのうちの約半分が内戦のため、教育の機会を奪われてしまっています。(写真下・以下同じ)
SYR02
11歳のアマル・カルーシュ。政府軍の攻撃によりシリア国内の自宅を爆破された彼女は、家族とともにこのキャンプに逃れてきました。
「ここに逃れてくる途中も、私たちは何度も砲撃されました。とても恐ろしい経験でした。でも私たち家族は幸運なことに、全員ここに避難することが出来たのです。」
SYR03
14歳のシリア難民、フォウアド。
ユニセフはシリアの内戦では、10,000人以上の子供たちが無残に殺されてしまったと見積もっています。
生き残ることが出来た子供たちも、心に大きな傷を負ったままなのです。
SYR04

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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