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【 フクシマのトリプル・メルトダウン後の世界 : 再び事実の歪曲が始まる 】《2》

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所要時間 約 7分

チェルノブイリ周辺の生態系が無残に破壊された事実を歪曲する映画が完成、公開された
原子力発電所周辺で生活する子供たちの白血病の発症割合が高いという事実を明確にしたドイツの研究
放射線医学分野の専門機器開発やその使用は、原子力産業界にとって巨大な成長機会が得られる場所



スー・プレント / フェアウィンズ 11月 17日

都路町帰還05
特に日本の一般市民に対して行われている漏れ出した放射性物質の影響をできるだけ小さなものにしてしまおうとする宣伝は、福島の事故によって著しく汚染された土地からの避難は必ずしも必要ではないというものです。
しかし実際には人間にとってこの場所は非常に危険なのです。

原子力発電に関わってきた企業やブローカーたちによるこのホルメシス(またはホルミシス - 事実とは異なる情報)の流布を許せば、莫大な費用がかかる付近の住民のための避難計画や安全対策が必要でなくなり、原子力産業は多額の経費を浮かせることが可能になります。

補償や賠償の額を減らそうとしている日本政府は、福島の事故により自宅や故郷を捨てざるを得なかったいわゆる原発難民の人々に対し、もともと避難の必要性は高いものではなかったと主張し、除染などの作業が一段落した今となっては、1日でも早く荒廃してしまった元の場所に戻るよう求めています。

アルジャジーラ抗議集会
原子力産業界にのみ都合の良い、そして事実を歪曲したこのホルメシスは、原発事故の被災者たちを無造作に危険な場所に追いやることによって東京電力の賠償責任を終わらせ、その負担を一気に軽減させようとする企みに他ならないのです。

アメリカでは現在原子力規制委員会(NRC)が中心となって、原子力発電の復権を目指し様々に、そして活発に画策しています。
そして少量の放射能漏れに関する3つの案件について原子力産業界が最近行った主張を受け入れ、その事実そのものを否定する動きを見せはじめています。

これまでの数十年間、積み重ねられてきた実証済みの科学的な証拠は、どんなに少ない量であっても一定量以上の放射線被ばくをすれば、健康に害がないということは決して言えないという理論を確立させました。
《1》でご紹介したホルミシスによる偽りは、すでに明らかなはずなのです。
これはLNT曲線と呼ばれる理論で説明が可能です。

『微量の放射線を浴びることはかえって健康に良い』などというホルミシスが偽りであることは書いた通りですが、それでもこの考えを広めようとする人間たちは周到な準備を重ね、放射線を浴びるという事の危険性についての一般市民の認識を、時間をかけて別のものに変えようと画策を続けているのです。

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この原子力発電の復活ための大規模な宣伝が行なわれていることに最初に気づかせてくれたもののひとつが、映画『チェルノブイリの映画オオカミ』でした。
それは歴史上2番目に発生した最悪のチェルノブイリ原子力発電所事故の現場周辺で、この大型の哺乳類の復活に焦点を当てたものです。
しかしこの映画は他の生態系が無残に破壊されてしまったことを無視していました。
特に鳥類、昆虫類の多くの種がチェルノブイリの破壊された原子炉から放出された放射性物質により絶滅しました。
そして樹木も寿命によって枯れ、その倒木が微生物によって腐敗し、その中から再び新しい芽が出て樹木となって再生を繰り返すというサイクルが完全に断たれてしまったのです。

そして今、アメリカの原子力規制委員会は公的資金を投入した研究、稼働中の原子炉と付近の住民たちのガン発症率の関係についての研究を突然中止しました。
なぜ、2010年から始まったこの研究をきゅうにやめたのでしょうか?
原子力規制委員会は米国科学アカデミーに担当させていたこの研究の継続について
「膨大な時間がかかる上に、多くの手間を必要とし、さらには原子力規制委員会の予算の制約を考えると、非現実的である」とのコメントを行いました。

Chernobyl04
ドイツで行われた同様の研究では、原子力発電の将来についてすでに否定的な結論が出ています。
私は米国原子力規制委員会が中止したこの研究において、これまで収集されたデータが何を明らかにしたのか、そして原子力発電の将来性についてどのような方向性を示したのか、現時点では推測する事すら不可能です。
しかしブレーメンにあるヴォルフガング・ホフマンとエバーハルト・グレイサーによって行なわれ、『クルンメル原子力発電所周辺における子供たち及び成人の発見病発症割合』と題されたこの研究では、原子力発電所周辺で生活している子供たちの白血病の発症割合が高くなっているという事実を明確にしました。

利害については、実際に放射線に関する恐怖体験を持つ原子力産業界の科学者たちと放射線医学の医療関係者との間で一致しています。
そうした意味では、原子力規制委員会に対し放射線疾病基準の緩和を要請した中に、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の放射線医学のキャロル・マーカス医学博士が名を連ねていたことは、別に驚くべき事ではありません。

放射線医学にはこれからまだまだ発展の余地があり、放射線学分野の専門機器開発やその使用は原子力産業界にとっては巨大な成長機会が得られる場所なのです。
放射線を使った診断機機器や治療機器を扱う医療従事者に対し通常行われている、制限時間を超えてこれらを使用することには健康上問題があると注意を喚起することに異論を唱えることは、マーカス博士やその同僚に特別な利益をもたらすのです。

-《3》へ続く –

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education/demystifying-nuclear-power-problem-in-a-post-fukushima-triple-meltdown-world-do-the-numbers-work-for-atomic-power

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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