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【 フクシマ、追いつめられたままの人々、立ち直りすら許さない放射線 】《後篇》[ガーディアン]

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所要時間 約 6分

進まぬ除染作業、かさみ続ける除染費用
福島第一原発の事故によって失ったものは何なのか、その事を日本中の人に考えてほしい

ガーディアン 2014年1月1日

仮設住宅01
福島第一原発の被災地の地方自治体が現在直面する最大の問題は、仮設住宅で暮らす住民に永続的な住まいを提供することです。
そして崩壊しそうな建物を解体し、道路や学校の校庭を含むインフラを再整備し、そして建物や土地の除塩と除染を行う事です。

「1軒の家と庭の除染を完了させるには、通常10日から2週間ほどかかります。」
南相馬市小高区の村田区長がこう語りました。
「地面の一番上の部分を削り取り、木の枝を切り払い、屋根を洗い、そして雨樋の中を清掃するのです。しかし家の中の清掃は飽くまで所有者がやらなければなりません。行政が手伝えるのはその他の部分についてなのです。」

小高地区については、少なくとも除染が行われ、修復や修繕が進んでいる場所もあります。
しかし浪江町の中で最も海に近い請戸地区では、破壊は全域に及びました。
場所によっては高さが17メートルにも達した津波が、ほとんど一軒残らず家々を破壊してしまいました。
巨大な水の壁は行く手にあるものを、すべて平らにしてしまい、後には破壊しか残りませんでした。

120118
海岸線から何キロも陸側の場所には、未だに流された漁船が放置されています。
かつてにぎわっていた町には、膨大な量の鉄くず、破壊された車、コンクリート製の橋の残骸、梁と柱だけになった木造住宅の廃屋が立ち並んでいます。
海岸線から500メートルほどの場所の遺棄された小学校の建物は、一見すると爆撃を受けたような惨状を呈しています。

しかしそんな有様の請戸にさえ、冬の日の午後、今は別の場所で暮らす住民たちがボランティアとして列をなし、かつては家が立ち並んでいた場所でがれきやごみを片付ける姿がありました。
町は少しずつではありますが、片付いてきました。

住民たちの献身的な作業に加え、自治体は再生できるものは可能な限り再利用しようとしています。
大量の海水が入り込み、泥に埋まり荒れ果ててしまったかつての水田からは、袋詰めにされた大量の土が運び出され、復旧作業が進められています。

NBC25
南相馬市の江口副市長は、除染も含めた放射線に関わる事故後の処理には、さらに5年から6年の時間、そして3,500億円もの費用を必要とする見込みであると語りました。
このための予算のほとんどは、日本政府が負担することになっています。
そして津波の被害を回復する再建事業は、最高で10年がかかる可能性があります。

しかし目に見えない何か大切なものが、永久に失われてしまったと江口副市長が語りました。
「かつて平和だった時代と比べ、経済面、個人の生活、社会生活からそれが失われてしまうと、回復することは非常に難しくなります。」

最も困難な課題、それは除染であると江口氏が語りました。

「基本的に大気中からは放射性物質はもう無くなりました。それは今、地面の中にあるのです。」
南相馬の地域経済は中小企業、農業、漁業と、そして毎年開催される有名な相馬野馬追を含む観光事業に依存していました。
そのすべてが手ひどいダメージを受けました。

汚染02
「ここを訪れても安全だと考えている人はまずいません。私たちの生産物や、家畜、そして漁獲物が安全だと考える人がいないことは明らかです。その意識が変わるまでには、長い時間がかかるのです。」

これまで多くの人々が何度も、福島を立ち直らせ元通りにするための取り組みを、日本政府が全面的に支えていくという事を言われました。
しかし現実は違っていると江口氏は語ります。

「私たちが非常に多くの支援を受けたことは事実です。しかしそれで充充分だったでしょうか?再建さえ果たせば良いという事ではないため、この質問に答えを出すことは難しい問題です。」
「国の政治家は東京にいて、福島の復興無くして日本の復興は無いと語っています。しかし本心からそう言っているのかどうか、私にはわかりません。」

「私は日本全体が、国を挙げて福島を支援しているとは思えません。でもそれを決めるのは、ここで暮らしている市民たちです。」

http://www.theguardian.com/environment/2014/jan/01/fukushima-ghost-towns-high-radiation-levels-tsunami
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さてこの記事の問いかけに対し、私たちは何を考えるべきでしょうか?
私は3.11の被災地の中心に居ながら、全く幸いなことに3年を経た今、災害以前とほとんど変わらない生活をしています。
常々考えているのは、そんな私が、実際に仮設住宅で暮していらっしゃる方々の苦悩を理解できるだろうか?という事です。

到底無理なのではないでしょうか。
では私はどう考え、どう行動すべきなのか…
その答えが解らないから、毎日こうして福島にかわる記事の翻訳を続けているのかもしれません。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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