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【 フクシマ、危険にさらされる子供たち、脅かされる子供たちの未来 】〈5〉

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所要時間 約 6分

染色体異常が発生する危険は、20ミリシーベルトはおろか10ミリシーベルト以下でも上昇を確認
福島第一原発の周囲の避難指定解除地区に、子どもたちや妊娠前の女性が戻ることの危険は大きい

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 3月20日

2010年バーティの研究グループは、医療用X線検査が人間の染色体転座の発生率にどのような影響を与えるか、マクロ的立場からの研究結果を発表しました。

彼らはそれまで発表されていた可能な限り多くの研究結果からの資料を検証し、低線量放射線の影響に関する研究精度を高めようと努めました。
彼らはそうした努力を重ねた結果、低線量の被ばくによる健康被害の存在を確認しただけでなく、20ミリシーベルト以下の被ばくによって染色体異常が発生する頻度が上昇することを突き止め、彼ら自身驚くことになりました。

さらには10ミリシーベルト以下の被ばくレベルのグループの中にも、染色体異常が発生する頻度が1ケタの値ではあっても上昇している事例を確認したのです。

秩序立てて検証してみましょう。

この仮定的三段論法は、二つの前提条件を持つ古典的論理構造によっています。
このようなことです。
Pという条件によってQという事実が成り立つ。
そして、Qという条件によってRという事実が成り立つ。
ならばPという条件によってRという事実が成り立ち得る。

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これまで見てきた科学的な分析結果を、この仮定的三段論法に当てはめ、結論を導き出しましょう。
低線量放射線被ばくをする機会が増えれば、染色体異常の発生確率が上昇する。
染色体異常の発生確率が上昇すれば、ガン発生の危険性が上昇する。
したがって我々は以下のような結論を導き出すことが可能である。

低線量放射線被ばくをする機会が増えれば、ガン発生の危険性が上昇する。

この三段論法は、少し単純化され過ぎているかもしれません。
いまだその全容が解明されていない複雑な生物学的システムを、基本的論理構造の中に落とし込むのは簡単なことではありません。
しかしながら、正当な理論体系の中に最先端の生物科学研究の結果を当てはめて行けば、得られる結論はそう間違ったものではないはずである、という事は言えるはずです。
このビデオでは、これまで正しいとされてきた放射線生物学的研究、そして最新の放射線生物学的研究、その両方の成果をご覧いただきました。

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全米科学アカデミーは1年間に20ミリシーベルト以下の被ばくであっても、ガン発症の危険性が上昇する可能性がある事を示唆しています。
科学アカデミーが2006年に発表した研究が、その事実を裏付けています。

しかし最新の研究はこの科学アカデミーの研究が、真のガン発生リスクを低く見積もりすぎていることを示唆しています。
最新の研究は、20ミリシーベルト以下の放射線被ばくであっても、遺伝子の損傷を引き起こすことを突き止めました。

したがって、これら権威ある研究、そして最先端の科学研究の両方から得られる結論は以下の通りです。

日本政府が安全であると規定した、年間20ミリシーベルト以下の被ばくをする環境で生活を続けることは、とうてい安全とは言えないのです。

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アーニー・ガンダーセン :
まず、イアン・ゴッダードが行ったこの卓抜した分析と結論に、敬意を表したいと思います。
アメリカ国立科学アカデミーのBEIR第7号レポート[電離放射線の生物への影響]を基に、日本が福島において設定したガン発症リスクは500人に1人というものでした。

都路町帰還05
しかし、現実はそれよりも悪いものです。
5歳の少女のガン発症リスクは、発表されたデータの5倍に上ることがわかりました。
これは彼女たちが『放射線量20ミリシーベルト以下の比較的安全な地区』に戻ったなら、100人に1人の割合でガンを発症する危険性があることを意味します。

しかもアメリカ国立科学アカデミーのBEIR第7号レポートにはホットパーティクルの問題が含まれていません。
そしてゴッダード氏が行った明快な低線量放射線被ばくの分析により、現実のガン発症の危険性は直線しきい値なしモデルが示す値よりもさらに悪いものであると考えられるのです。

〈 完 〉

http://fairewinds.org/cancer-risk-young-children-near-fukushima-daiichi-underestimated/
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今回の記事は2012年2月にフェアウィンズのサイトに掲載され、【星の金貨】では2月から3月初めにかけて、一度翻訳・ご紹介したものとほぼ同内容です。
福島第一原発の指定避難区域の一部が解除され、住民の帰還が始まってしまったことに危機感を募らせたガンダーセン氏が部分に手を加え、2014年3月20日に再度フェアウィンズのホームページで紹介されたものを翻訳しました。

この記事を読むと、指定避難『解除』区域に子供たち、とくに少女たちが帰還してしまう事の危険性の高さが実感として理解できます。

今の子どもたちと、この子供たちがやがて大人になって結婚し生まれてくる子供たちを守るために、低線量の放射線を浴び続けることの危険性を、常識として日本の社会に根付かせる努力を続けましょう。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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