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【 ゲンパツが二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすというのは本当の話ですか?】《1》

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所要時間 約 10分

新しい原子力発電所建設は、地球温暖化の危機をさらに悪化させる!

一般世帯の電気料金を一気に暴騰させた『原子力の平和利用』、原子力発電所の建設・維持コスト

 

アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ 2016年10月19日

 

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1971年、私は原子力発電の効能を布教して回る「原子力の聖職者」のメンバーの一人になりました。

私は公認の資格を有する原子炉操作員としてキャリアを始め、途中原子力工学の技術者として2段階を進み、最終的に原子力企業の上席副社長になるまで、原子力産業界一筋に歩みました。

 

私は原子力産業の発展にいわば宗教的情熱を傾け、原子力技術の発展が発電コストの低減に直結し、それまでとは比較にならない程安い電力供給が実現するものと信じていました。

 

そして歴史的出来事とも言うべき1973年のオイルショックの際は、ガソリン不足とガソリンスタンドの前に出来た長い長い車の列は、私を含めた何百人という原子力エンジニアに、原子力発電こそが『エネルギー不足』の唯一の解決であるかのように思わせたのです

 

1970年代と80年代、自分たちが実際に体験したエネルギー不足の問題を解くカギは、唯一原子力発電であると私たちは考えていました。

この時代、化石燃料の利用と地球温暖化や気候変動の問題とを結びつける科学的なデータは存在しませんでした。

地球の大気中の二酸化炭素の量が増え続ける現状を放置すれば、気候変動その他全世界が重大な事態に陥る可能性を明らかにしたのは1988年のNASAのジェームズ・ハンセン博士が初めてでした。

 

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1953年、米国のアイゼンハワー大統領は核爆発を兵器としてではなく利益を生む手段として利用する「原子力(核エネルギー)の平和利用」計画を初めて明らかにし、西暦2000年までに少なくとも1,000基の原子炉を国内に設置するという壮大な計画をぶち上げました。

しかし1979年にスリーマイル島の事故が起きるその以前すでに、原子力発電所の建設コストが暴騰するとともに、建設スケジュールも計画より大幅に遅れる事態が常態化するようになっていました。

 

熱心に語られた1,000基の計画に対し実際に建設されたのは結局110基に留まりました。この他に120基が実際に設計段階まで進んでいましたが、1キロワットの電気も生産する事無く建設は中止になりました。

 

1985年には「原子力の平和利用」というアイゼンハワーが描いた夢は無惨に崩れ、それが人類にとって悪夢を生む施設であることが次第に明らかになってきました。

フォーブズ誌は1兆ドルを超える建設資金と公的助成金が原子力発電所建設につぎ込まれた世界的な原子力発電所建築ブームについて、盲目的かつあまりに偏った政策であると指摘し、「歴史上最大の経営災害」であったと表現しました。

 

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原子力発電所が次々と建設されている間、電気料金は急上昇を続けました。

「原子力の平和利用」のおかげで、一般世帯は高額な公共料金を支払わなければならない立場に置かれることになったのです。

 

20世紀の間、アメリカ合衆国で建造が予定された原子炉の数は230基を超えていましたが、現在稼働しているのは99基です。

世界原子力協会によれば2015年現在、世界各国を合わせて稼働中の原子炉の数は合計438基になります。

 

20世紀、様々なエネルギー危機の可能性が取りざたされましたが、電気の供給が長期間停止するような事態は現実に発生したことは無く、明りが消えることもありませんでした。

そして原子力発電の普及により『電気メーターなど必要が無くなる程電気料金が安くなる』という原子力産業界の夢のような主張も決して現実のものにはならなかったのです。

 

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21世紀に入り再生可能エネルギーによる発電手段が次々に現実になり、安価で安全な発電が可能になると、今度は原子力産業界は二酸化炭素の排出量の増加が世界的気候変動の危険要因になるというジェームズ・ハンセン博士の予測に原子力発電存続の正当性の根拠を求めるようになりました。

そして原子力産業界の政界工作担当者が国会議事堂に押し寄せ、『原子力の平和利用』に代わり、地球温暖化防止の『現実的』手段として、『原子力ルネッサンス』が21世紀のプロパガンダとして掲げられることになったのです。

 

ところで原子力産業界による最新の主張、すなわち原子力発電が二酸化炭素排出量の増加防止策として有力な手段となり得るというのは、検証の結果正しいと認められたのでしょうか?

その答えは「NO!」です。

 

科学的検証の結果は、新たな原子力発電所建設が地球温暖化の問題を一層悪化させることを明らかにしています。

 

問題をはっきりさせるため、具体的データを検証する前に二つほど予備知識が必要です。

ひとつめ、念を押すまでもありませんが石炭や石油のような化石燃料を燃やすことにより環境中にCO2(二酸化炭素) が放出されます。

 

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現在大気中に放出されているCO2(二酸化炭素)の量は膨大であり、ギガトン(GT)という単位で計測されています。

1ギガトンのCO2(二酸化炭素)という時、それは10億トンという量になります。

「ppm(parts per million)」という単位が用いられることもあります。

毎年こうした単位で量られるCO2(二酸化炭素)が大気中に放出され、拡散していくのです。

-《2》に続く -

http://www.fairewinds.org/demystify//demystifying-nuclear-power-nuclear-powers-carbon-dioxide-co2-smoke-screen

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16日朝のNHKニュースが福井県にある高速増殖炉もんじゅについて、日本政府が30年かけて廃炉にする方針であることが明らかになったと伝えていました。

全国に広がった反原発運動を前に、もんじゅは途方もない維持費用がかかるにもかかわらず原発を推進する立場から見て弱点にしかならず、この際切り捨ててしまった方が得策だという事なのでしょう。

事情はともあれ福島第一原発の事故が無ければこうした決断も無く、日本の公的負債に巨額の上積みを続けていったに違いなく、ひとつの前進であることには違いありません。

一方で敷地内に新たな研究用高速炉の建造を『検討する』と伝えていましたが、こちらは当面原子力発電を止めるつもりはないぞ、という意思表示なのだと思います。

 

今回ご紹介する稿は原発の本当のコストというものが副次的テーマになりますが、ゲンパツが排出する核のゴミ、高レベル放射性核廃棄物について現実にどのような根本的解決(化学反応等によって無害化するなどの)手段も無い以上、実際は『いったいいくらかかるか見当もつかない』- すなわち予想をはるかに超える巨額の処理費用が必要になる可能性が高いと私は考えています。

 

その費用は電力会社の役員報酬や社員の給与を減額するのではなく、電気料金や税金の形で国民ひとりひとりに『ツケ』回しされることになります。

原発について考えるとき、このことを念頭に置き続ける必要があると思います。

 

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【 12月12日の報道写真から 】

 

アメリカNBCニュース 2016年12月9日

 

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12月12日激しい戦闘が続くモスル周辺の自宅からハゼール難民キャンプに避難してきたイラク人難民。(写真上)

 

12月12日インド、ニューデリー市内でスモッグに覆われる地下鉄の高架線路。デリー地区は世界で最も環境汚染のひどい都市のひとつです。

様々な対策が検討されていますが、インド政府が緊急事態を宣言することが日常化しています。(写真下・以下同じ)

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12月12日ベラルーシのミンスクで摂氏マイナス6度の気温の中、森の脇を飛び過ぎるスズメの群れ。

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12月12日世界中のイスラム教徒が開祖ムハンマド(マホメット、モハメット)の誕生日を祝ったこの日、インド、ムンバイで爆竹に点火される瞬間、耳をふさぐ子供たち。

ムハンマドは西暦570年イスラム暦第3の月の12日、グレゴリオ暦では12月11日にメッカで生まれました。

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http://www.nbcnews.com/slideshow/today-pictures-dec-12-n695231

 

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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