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【 またも、3.11の復興資金、被災地と無関係の事業に 】

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所要時間 約 6分

数百億円の被災地の雇用のための資金、無関係の場所で無関係の事業に流用
救われない被災者、雇用されたのがたったの1名という県も複数

ザ・ガーディアン(英国) 6月4日

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2011年3月に発生した日本の三重災害(地震・津波・原発事故)のための1,000億円以上の復興特別予算が、他の場所のチーズやワインのプロモーションを含む、災害とは無関係の事業に使われていたことが明らかになりました。

この特別予算は主に被災地で職を失ってしまった人々の雇用対策を行うためのものですが、被災地から遠く離れた場所でウミガメの生息数の調査、レストランのガイドブックの出版、ゆるキャラのプロモーションなどに流用されていたことを、日本の新聞が伝えました。

この無駄な公共支出の証拠は、日本の朝日新聞が明らかにしたもので、政府が3.11の被災地の復興のために用意した特別予算11兆7,000億円のうちの4分の1が、無関係な事業に使われていたことが数か月前に明らかになったばかりであり、政府関係者を困惑させています。

朝日新聞によれば、2,000億円の雇用のための予算のうち、1,085億円が3.11の被害を受けて18,000人が犠牲になった9つの県以外の、38都道府県の無関係な事業に使われました。
9つの県には、津波によって甚大な被害を受け多数の犠牲者を出した宮城県と岩手県、そして福島第一原発の3基の原子炉のメルトダウンにより、150,000人が避難生活を強いられている福島県が含まれます。

日本政府の菅義偉官房長官は、朝日新聞の報道内容が事実かどうか調査を進めていると語りました。

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「事実を明らかにし、綱紀を粛正するとともに、違反については厳しい対処を行います。」

災害の発生からちょうど2年が過ぎた段階で、尚300,000人以上が仮設住宅で暮らし、その多くが新たな職を見つけられずにいました。

この予算は前政権である民主党政権により災害にあった人々の再就職を容易にする目的で予算化されたものですが、3.11の災害では97%の人々が雇用状況に影響が無かった事が解っています。

朝日新聞によれば今回の対策によって職を得た人は65,000人ですが、このうち被災地で暮らす人は2,000人に留まっています。
朝日新聞は全国の自治体が、雇用創出のための予算配分方法が曖昧な点を利用し、災害とは関係の無い事業に予算を流用したのではないかと推論しています。

被災地から1,000キロ南に離れた鹿児島県では、自然保護対策の一環として職員が300万円を使って10人を雇用し、ウミガメの生息数調査を行いました。
「ウミガメが生んだ卵を守るため、安全な場所に移し替えるよう、指示をさせることもありませんでした。」
調査のため雇用された人が、朝日新聞の取材にこう答えました。

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日本政府の官僚は、被災地の人々が日本全国に避難していると言って、こうした出費について弁護しました。

しかし調査した結果、12の都道府県では被災者の雇用は10名以下に留まっています。
中でも被災地から数百キロ離れた山口県と宮崎県では、2,000名の雇用者のうち、被災者はたった1名でした。

前任者の民主党政権・野田首相が、被災者が住む場所と職の確保について後手に回ったことに批判が集まったのを受け、安倍晋三氏の自由党民主党は、災害復旧の速度を上げると約束して、昨年12月に政権を奪取しました。
政権発足の翌月には今後5年間の災害復旧予算を、19兆円から25兆円に増額すると発表しました。

津波による被害を受けた市町村の災害復旧工事は雇用創出に一定の効果を発揮しましたが、震災と同時に発生した福島第一原発の原発事故によって甚大な被害を被った漁民、農民の長期に渡る雇用創出についてはほとんど効果を発揮しませんでした。

災害復旧にあたる官僚や地方自治体の職員が、復興予算の使い道について苦しい弁明をしなければならなくなったのは、今回が初めてではありません。

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2011年だけで、被災地から1,750km離れた沖縄県の道路の補修工事に5億円、そして東京のスポーツスタジアムの補修工事に3億3000万円が支出されるなど、不適正な支出が次々明るみに出ています。
中でも最大の論議の的となったのは、海洋保護グループ、シー・シェパードによる妨害から日本の捕鯨船団を守るため水産庁が支出した23億円でした。

http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/04/japan-tsunami-victims-unaffected-areas?INTCMP=SRCH
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28日付の朝日新聞朝刊の第一面にも、復興予算の内100億円が電力会社救済のため計上されていることが報じられていました。
その予算を見ると、国民が「仕方がないのかな…」と思うような名称が付され、なる程狡猾なものだと思います。

同じ第一面には、自民党内に「原発の再稼働を推進する議員連盟」が発足したことについてのコメントもありました。

どちらも、福島第一原発の事故について深刻な反省などしていないという事実が如実に表れています。
今、福島では子供たちも含め、どれ程の苦しみと不安が人々を苦しめているか、そんなことを考えようともしない人間が「日本の政治を担っている」、そして私たち国民はそれで良いとしている、そういうことにならないでしょうか?
厚顔無恥、本当にこの政治を続けさせて良いのでしょうか?

 

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