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【 とことん最後まで : 世界最悪のテロリズムと、直接対決をすることになった日本 】

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所要時間 約 9分

人質となった人々の救出のため、日本外交は最良とは言わないまでもとれる限りの対策はとったのか?
2人の質を見舞った残酷な運命を見て、武力紛争に自ら関わることは極力避けるべきである、その思いを強くした日本人

エコノミスト 2月2日

後藤健二氏
2週間に及んだ日本人人質事件は、多くの人が最も望まない悲惨な結末を迎えてしまいました。
ジャーナリストでノン・フィクション・ライターの後藤健二さんが残忍な方法で殺害される様子が、2月1日、イスラム国の広報機関が公開したビデオによって世界中に伝わりました。
日本国内には衝撃が走り、多くの人々がこの非道な行為に対する怒りと深い悲しみを露わにしました。

シリアを始めとする交戦地帯の難民とその子供たちが受けている苦しみを伝える後藤さんの仕事は、日本国内で早くから尊敬を集めていました。
そして日本は自爆テロをも厭わないイスラム過激派によって、これからさらに多くの日本人を殺す、日本の悪夢が始まるという、戦慄すべき脅迫を受けて立たなければならなくなりました。

国内一般の日本の人々は、この事件が唐突に起きたことを思い、同じように一日も早く視界から消えてしまうことを願っています。

これまでテロリズムとは無縁の極東の島国で暮してきた日本人ですが、今回後藤さんが殺害されたことによりイスラム国のようなテロリスト集団に対しては日本はなす術がないと個人的には感じる、東京都心で働く会社員たちが語っています。
衝撃の大きさにより、今回殺害された2人に非難の矛先を向ける日本人も現れました。
いわく、危険を承知で進んで紛争地帯に入り、結果的にはより多くの日本人の命を危険にさらすことになったと。

人質事件安倍首相
安倍首相は一連のニュースが伝えられる間、異常と思えるほどの強硬姿勢を貫きました。
そして「イスラム国に犯した罪の償いをさせる」ために、同盟各国との共同歩調を取り続けると語りました。
安倍首相は、日本がテロリズムに屈することは無く、テロリスト集団を決して許さないと語りました。

ジハード戦士たちに人質となっている後藤健二さんと湯川遥菜さんの身代金として2億ドルを要求させたのは、1月中旬アラブ諸国を歴訪した後、エジプトで開催された記者会見で安倍首相が行なった誓約、すなわちイスラム国と戦闘状態にある国々に対する2億ドルの人道支援の発表でした。

安倍首相のこの断定的口調の宣言は、何より自国の外務相の中東専門部局を驚かしました。
後に後藤氏と湯川氏がイスラム国の人質となっていることを、事件発生以前に日本政府が把握していたことが明らかになり、安倍首相の発表が事前の調整・準備を欠いたために、今回の事件が発生してしまったとの批判が巻き起こりました。

今回の事件は安倍首相が宿願としてきた、国際舞台で日本がより大きな役割を果たすようにするという政策の実現に影響することになりました。

ISISヨルダンパイロット03
そして1月20日、イスラム国側が身代金ではなく、人質を殺害するという脅迫を初めて行い、安倍首相の選択肢がきわめて限られたものしかないことがすぐに明らかになりました。

2人の人質がどこに監禁されているのか、それを探り出す諜報組織は日本にはありませんでした。
イスラム国と直接交渉を行う手段もありませんでした。
憲法の規定により、特殊部隊を派遣することもできませんでした。
日本は過去、同様の事件で身代金の支払いに応じたことがあると言われていますが、今回もそれをやれば最大の同盟国であるアメリカの怒りを買ってしまうことは明らかでした。

湯川遥菜さんの窮境に対する同情は、後藤さんのそれと比べるとそれ程大きなものでは無かったと言わざるを得ません。
湯川さんは自分を見失ったままシリアへと向かい、何も得るところがないままイスラム国の人質になり、後藤さんがその救出へ向かう動機を作ってしまいました。

湯川さんが処刑されたしまったという知らせは1月24日にもたらされました。
その後イスラム国側はヨルダンに拘束中の自爆テロの女性死刑囚の釈放と引き換えに、後藤氏を解放すると提案し、危機は新たな展開を見せることになりました。

ISISヨルダン・パイロット02
しかし報道によるとヨルダン政府はこの直接取引をいったん拒絶し、イスラム国に拘束されているヨルダン人パイロットが生存していることを証明した上、後藤氏と一緒に釈放することを要求しました。
日本政府のある官僚は、ヨルダン政府にすべてを任せるしかない状況に対し、個人的に不満を漏らしました。

今のところ日本国内の報道を見る限り、今回の危機に対する安倍政権の対応はあまり問題にはされておらず、イスラム国の残忍さに対する日本側の嫌悪と驚きが先に立っているようです。

東京都内で働く31歳のサラリーマンの男性は、今回の事件で改めて日本が素手で相手と戦わなければならない状況が強調されたと感じたと、安倍首相率いる自民党議員と同じような感想を述べていました。
事実、安倍政権は今回の事件こそ、日本の軍事力の強化の必要性を証明する、 説得力のある証拠であると考えています。
今国会の会期中、安倍政権は同盟国が攻撃にさらされている場合に援護攻撃を可能にする、そしてもちろん自国に危険が迫った場合に武力行使を可能にするための法律を提出することになっています。

憲法第9条01
とはいえ2人の日本人人質を見舞った残酷な運命は、孤立主義者傾向、すなわち武力紛争に自ら関わることは極力避けるべきであるという一般国民の思いを改めて強いものにし、安倍首相の平和主義放棄への夢の実現の前に立ちはだかることになりました。

多くの日本人が集団的自衛権行使の容認に反対しています。
武力行使容認について日本国民を納得させることは、そう簡単なことではなさそうです。

http://www.economist.com/news/asia/21641730-japanese-come-face-face-terrorism-its-most-savage-bitter-end?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 週6日、一日10時間砲弾づくりをする少年 – シリア 】

アメリカNBCニュース 9月8日《再掲載》
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

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10歳の少年イッサは、アレッポ市内にある自由シリア軍の兵器工場で、1日10時間、毎週金曜日を除く週6日、父親と一緒に働いています。

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カメラの前でポーズをとるイッサ。

カメラの前でポーズをとるイッサ。


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夕食は工場内で家族と一緒に。

夕食は工場内で家族と一緒に。


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父親と一緒に帰宅。

父親と一緒に帰宅。


仕事を終え、ペットの小鳥にエサをやるイッサ。

仕事を終え、ペットの小鳥にエサをやるイッサ。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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