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【 どこまで通用する?安倍首相のいつもの手口 】《前篇》

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630億円をかけた2014年末総選挙、何のための選挙かわからないまま選択を求められた有権者
落選した民主党海江田万里氏は、国民に一切の魅力も期待も感じさせることが出来なかった
失業率3.5%という数字を見る限り、労働者の賃金はすぐにでも上昇に転じてしかるべき

エコノミスト 2014年12月20日

安部選挙03
12月14日に投票が行われた衆議院総選挙は、630億円という多額の費用をかけ、前回選挙のちょうど2年後に行われました。
有権者は何のための選挙かわからないまま選択を求められ、その結果投票率は52.7%と戦後の最低を記録しました。
それでもその実施を命じた安倍晋三首相自身は、今回の選挙を行ったことにより自らの権力基盤の立て直しに成功したように見受けられます。

自民党は今回の選挙で3議席を失い、獲得議席数は291でしたが、不況真っただ中の政権与党であり、政権の支持率が下がり続けていた事を考えれば、この結果はそれほど悪いものではありません。
さらには連立与党の公明党が、自民党が失った以上の議席を獲得し、結果連立与党は475議席中326を占め、その数は改選前を上回ることになりました。

その結果連立与党は衆議院において3分の2の圧倒的過半数を獲得し、参議院の賛成を得ることが出来なくとも法律を成立させることが可能になりました。
2016年の参議院議員選挙で連立与党の議席数が過半数を割り込む事態になっても、少なくとも今後4年間は法律の制定に支障をきたさなくなったことを意味します。

今回の選挙における安倍氏のスローガンは『(日本の経済回復には)この道しかない』というものであり、これまで何かと取り上げられることが多く本人も得意げに語っていた『アベノミクス』はあまり前面には出しませんでした。
アベノミクスは莫大な財政赤字を抱えているにもかかわらず多額の財政出動を行い、思い切った金融緩和を行って市場に資金を溢れさせ、平均株価を押し上げる一方で、円安へと誘導して国内にインフレを起こさせるというものです。
もう一つ持続的成長のための大胆な構造改革がありますが、こちらは今のところほとんど成果は見られません。

衆議院議席数

ところで政府が発表した方針についてこれを検証し、対案を提示することは野党の仕事ですが、野党第一党の民主党からは今のところどのようなプランも提示しようとはしていません。
民主党は2009年日本の政治体制を一新すると公約し、長年続いた自民党による日本の国政の一党支配を終わらせましたが、3年間続いた民主党政権は無残な失敗に終わりました。
その影響が未だに尾を引いている状況です。

民主党は今回11議席を奪還しましたが、合わせて73議席という状態は惨めと言わざるを得ません。
少なくとも国民に対して一切の魅力も期待も感じさせることが出来なかった海江田万里氏は落選しました。
人気も期待も地に落ちてしまった観がある民主党ですが、意欲ある若い政治家による立て直しが期待できる状況になりました。

目下のところは有権者が安倍首相に政権を委ねるつもりになった理由、それは堂々巡りの権力争いだけはもう御免だと考えていることの表れである、こう語るのはコロンビア大学のジェラルド・カーティス教授です。

総選挙に勝利したことで、最早与党側には今後4年間選挙を必要とする事情が発生することは考えにくく、この点安倍首相は与党内、そして日本国内における自分の立場が強化されたと主張することが可能です。
安倍氏は戦後有数の長命政権の首相になることも可能です。

安倍首相は日本経済を復活させ、一般生活者にもその恩恵が行き渡るよう、これまで以上の努力をすると主張しています。
選挙期間中、地方経済が低迷したままであることが全国的に取り上げられました。

株価が急上昇し、東京をはじめとする大都市圏の不動産価格は上昇基調に転じましたが、一般世帯収入は円安がもたらした物価上昇に追いついていません。
一般世帯の消費支出は4月の消費税の引き上げの後急落し、アベノミクスが経済政策として本当に効果があるのかどうか、疑いが生じることになりました。

反安倍01

こうした一連の動きを確認した信用格付機関ムーディーズは、日本政府が発行している日本国債の格付けを一段階引き下げ、その評価は先進国中で最も低いものになってしまいました。

それでも、日本経済はおそらく今後数ヶ月間は改善を続けると見られます。
安倍首相は2017年4月まで2度目の消費税引き上げを延期しました。
そして現在、建設業から輸出産業にいたるまで、様々な分野で労働条件は改善されていません。
失業率3.5%という数字を見る限り、労働者の賃金はすぐにでも上昇に転じることがあってしかるべきです。

この点、安倍首相は幸運をつかむ可能性があります。
問題は、安倍首相がこうした幸運を何に使うつもりなのかということです。
安倍首相は複数の構造改革を同時に行い、そのスピードアップを図ると語っています。

< 後篇に続く >

http://www.economist.com/news/asia/21636792-shinzo-abe-wins-again-what-will-he-do-his-mandate-abe-habit
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英国の作家、フレデリック・フォーサイスの小説に『スリーパー』という内部工作員が出てきます。
何年も前から敵国や敵組織内に入り込み、他と変わらぬ一員としての暮らしを続け、信頼を築くことを主眼にし、この間諜報活動はもちろん、いかなる敵対的活動も行いません。
可能な限りの「まっとうな」努力を重ねて敵組織内で有能さを認められ、幹部の一員となることをめざします。
そしていよいよ時節が到来したら、その組織に決定的なダメージを与えるべく動き出すのです。

かつての民主党政権の末期、どんな具体的証拠も無い個人的な感想に過ぎませんが、民主党最後の首相について、この人は自民党系のスリーパーなのではないかと繰り返し思いました。
鳩山政権、菅政権は『何だか頼りない…』程度の感想で、今振り返れば彼らを辞任に追い込んだのは、安倍政権と一緒に「権力の座に返り咲いた」(現在の)政府系メディアの攻撃でした。
そこへ行くと最後の政権は、一般国民の期待を一つ一つ丹念に裏切り続けたという印象があります。
2012年末の総選挙での自民党圧勝の最大の功労者は、民主党野田政権ではなかったでしょうか?

民主党が一度失った国民の信頼を取り戻すのは、ゼロから作り上げるより難しいものになるでしょう。
来たるべき代表選挙では、何より国民目線で『信頼を取り戻す!』ことを第一に考えてほしいものです。

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【 シャルリーエブド襲撃事件、モハメットの風刺漫画と関連事件のこれまで 】

アメリカNBCニュース 1月7日


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