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【福島J-ヴィレッジ潜入記 : 使い捨てられる人々】〈第3回〉

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所要時間 約 11分

「肉体的にも、精神的にももう限界。そして、消えてしまった作業員」

Cordula Meyer / デア・シュピーゲル(ドイツ)2011年9月21日

[ 第2部 : 限界へと追い込まれていく ]
▽ 24時間3交代〈肉体的にも、精神的にももう限界〉

青と白のユニフォームを着た一人のひどい猫背の男性が、ゴム製のプールのようなものに溜め込まれた放射性の汚泥のある、離れた場所の隅っこの方に連れて行ってくれました。
男性はこの泥が、原子炉近くにあった車両から洗い落としたものだ、と説明してくれました。

そのすぐそばには陸上競技場で使われるような人工芝に、テープで目印がつけられています。
テープには放射線レベルが書き込まれています。
プールに向かって近づくにつれ、4.5ミリシーベルト、7.0、そして1メートルまで近づくと20ミリシーベルトと書かれていました。

放射線監視チームに属するこの男性は、2、3分ごとにごみでいっぱいになった袋を持ち込んできます。
J-ビレッジ内のここでの仕事は、原子炉での仕事に比べ危険は小さなものです。
「ここには2種類の仕事があります。放射線量が比較的少ないJ- ビレッジで長時間働くか、10倍から100倍 の放射線を浴びながら福島第一原発で働くか。」
と 秋本さんが語りました。
秋本さんは背が高く、筋肉質の体をしています。
彼は髪を短く刈り込み、ジーンズのようなカジュアルな服装を好みます。
彼は30年 前、学校を卒業してすぐ、東京電力のメンテナンスを担当する会社で働き始めました
福 島第一原発の近くにある彼が勤める会社から来た彼は、J- ビレッジでほかの仕事に就くことはまずありません
3月11日も福島第一原発で点検作業を行っていましたが、津波から逃げ遅れずに済みました。
彼が住んでする村からは、人々は全員避難しました。
数週間して、彼はJ- ビレッジに行くよう命令されました。
「選択の余地はありませんでしたよ。」
一方で彼は、福島第一原発が彼が暮らす場所にたくさんの仕事をもたらしていたことに、ある種の責任を感じる、と語ります。
放射線検査グループのメンバーは、24時間3交代で働いています。
彼は「もう限界に達している – 肉体的にだけでなく、精神的にも」作業員をしばしば見かける、と語ります。

「ほとんどの仕事が、汚い単純労働です。」
秋本さんの話では、彼の同僚のほとんどがここに来る以外に、選択肢はありませんでした。
「もし断ったら、どこに仕事の口があるというのでしょうか?!」
「私には国のためにこの仕事をしている、という知り合いはいません。お金が必要だから、という人ばかりです。」
いつであろうと、秋本さんのような熟練の作業員は、比較的放射線量の少ない場所で働いています。
彼らの出番は、もっと後の方になるのです。

▽ 被ばく限度量を引き上げる動き〈消えてしまった作業員〉

とある海外メディアに、日本の原子力安全保安院が、福島第一原発ではあまりに多くの人々が被ばくしてしまったために、早晩必要な技術者が払底してしまうと警告した、と伝えました。

2012年早々には、必要な熟練技術者が1,000人から1,200人不足する、と原子力安全保安院は予測します。
「そのため、福島第一原発はもちろん、日本中で深刻な影響が出ることになるでしょう。」

この問題に対する原子力安全保安院の解決方法は簡単でした。
作業員の被ばく限度を引き上げたのです。
2、3年の間は作業員に対し、以前よりもはるかに高い放射線量の被ばくを許容することになります。

2011年8月半ばまで、17,561名の人々が原発作業員として、登録を行いました。
以後の研究のため、彼らの被ばく線量を記録する計画があります。
6人の作業員が新たに限界とされた、250ミリシーベルトを超える被ばくをしてしまいました。
400名を超える作業員は、平常時の被ばく線量の限界とされる、50ミリシーベルトを超える被ばくをしています。

そして東京電力は、その何割かの所在を全く把握していません。
数か月にわたる調査にもかかわらず、3月から6月の間福島第一原発で働いていた88名の作業員の所在を突き止めることができずにいます。
東京電力は一人一人の作業員に面接することはせず、ただ単にバッジを渡していました。
最近になって、これら所在がつかめない人々の、IDと写真だけが公開されただけでした。

〈つづく〉

http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,786650,00.html
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この「使い捨てられる人々〈第3回〉」をお読みになった方は、こう思われるに違いありません。
「人間が、同じ人間をそんな風にあつかえるものなのか?と。
この部分を訳している間、私はずっとそう思い続けていました。

そして後半、TPP問題が沸騰している今、誤解を与えては、と思い掲載を控えていたものです。
当たり前ですが、アメリカの「輸出」を取り上げたいのではありません。
注目していただきたいのは、フォードのような巨大企業が撤退した後、昔から存在する伝統産業が雇用の受け皿になった、という点です。
伝統なら日本はアメリカに負けるはずがありません。

私はコツコツ真面目に働いている人々が報われない社会、そんな社会はロクデモナイ社会だと思っています。
でも現代は限りなくその状況に近づいています。
日本の伝統産業が大切にされ、そこから雇用機会が生まれてくることを心から願っています。

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☆★ メイド・イン・アメリカ ☆★新たな雇用を生むバーボン・ブーム ☆★
「私たち日本人も地場産業を大切に守り育て、雇用を生み出しませんか?」

アメリカABCニュース 2011年11月7日

バーボン・ブームが世界中で巻き起こっています。バーボン・ウィスキーの生産は拡大し、売上高は記録を更新中、そして雇用機会が増えています。
バーボンは純粋なアメリカ製品であり、その生い立ちはアメリカの歴史とともにあります。
ケンタッキー蒸留酒協会によれば、禁酒法が終わって以来、これほどの需要は経験したことがない、ということです。

「まさに注目すべきことです。」
ヘヴンヒル蒸留所のマックス・シャピラ所長が語ります。
「このような経済状況の中では、我々の産業にとって特筆すべき変化です。」
バーボンの生産高は昨年18%の増加を記録し、その勢いは今も続いています。
ケンタッキー蒸留酒協会によると、ケンタッキー州では人口を超える数のバーボンの詰まった樽が存在します。

フレッド・ノー(ジム・ビームの曾孫 – ジム・ビームはアメリカで7代に渡りバーボンを作り続けるビーム・ファミリーの中興の祖)によると、会社の事業の半分は、現在海外にあります。
「私たちは世界中でアメリカ製品を売って回っていますが、大きな事業です。」
ビーム蒸留酒製造業一家の7代目の当主はこう語り、それによって雇用が生まれている、と語ります。

減速を続けるアメリカ市場で、バーボンの製造業者は海外で攻勢を強めています。
品質改善に取り組み、差別化のため資金注入を行いました。
定義上、バーボンはアメリカで作られなければなりません。
酒造会社がカウボーイやケンタッキー競馬のラベルをボトルに貼ってバーボンを販売することは、すなわちアメリカ製品の販売なのです。

首尾は上々です。

過去10年間、バーボンの輸出は好調でした。126もの国々に輸出されています。
スペインでは153%の増加、フランスでは記念碑を作る程、何と286%の増加を記録しました。オーストラリアでは98%、ドイツでも55パーセント増加しています。

ケンタッキー州バーズタウンにあるトッデイ・リキュールのオーナー、ガスリー・マッケイは、ブームはバーボン産業のすべての面においてものすごいものだった、とABCニュースに語りました。
「出来上がったバーボンを運んでくれる、運送業者を確保するだけで良かったのです。それと樽詰めしてくれる人たちとね。」
「そうするだけで、あらゆるレストランから利益がもたらされました。」

ルイスビルにある樽の製造業者は3年間で新たに60名を雇い入れ、現在270名を雇用しています。
新たな雇用は、ビン詰めの製造ラインにも生まれました。

以前働いていたフォードの工場が閉鎖された後、キャサリン・ウィンズピアは3年の間失業していました。
現在、彼女はジム・ビームで好条件でビン詰め作業に従事しています。
「ケンタッキーにとって、これはものすごく意義のあることです。」と、彼女は語ります。

メイカーズ・マーク酒造会社は、バーボンを詰めた樽の新たな貯蔵施設の建設を急いでいます。
これらの樽の中のバーボンは2016年まで寝かさられなければなりません。
メイカーズ・マーク酒造会社はブームが続くことに備えているのです。
出荷できるようになったバーボンは瓶詰めされ、一本一本手で蝋で封印されます。

伝統のあるメイカーズ・マーク酒造会社がこう語りました。
「でも、終わらないブームはありません。」
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