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【欧州の原発、至る所に不備。改修費用は2兆5,000億円、暴かれた内部文書】[ザ・インデペンダント]

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『フクシマ後』のストレステスト、数百を超える問題を明らかに
「最低限の」安全すら疑わしい原発も…

トニー・パターソン / ザ・インデペンダント(英国) 10月4日


欧州連合の加盟各国内にある143基の原子炉に対して実施された「ストレステスト」の結果、『数百数千の』問題が指摘され、その改修のためには250億ユーロ(2兆5,000億円)もの費用が必要になる旨、4日明らかにされた報告書草案に記載されていました。

この安全対策の著しい不備を明らかにしたのは、欧州連合原子力規制委員会が公式報告書を作成するため用意した草案であり、ブリュッセルに本部がある欧州連合の本部において4日、公表されることになっています。
ストレステストは昨年3月11日に日本を襲った巨大地震と巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンを引き起こしたことを受け、実施が決まりました。

この草案は最終的に作成する報告書と内容が異なる可能性はありますが、以下のように結論づけました。
「ストレステストの結果、欧州連合内のほとんどすべての原子炉について、安全性を確保するための改修工事が必要であることが判明しました。」
「すでに必要とされる数百件の改修対策については、その技術的内容を確認しています。」

現在欧州連合は域内で拡大しつつある経済的苦境から抜け出すべく、悪戦苦闘しています。
当初一基当たり3,000万ユーロと見積もられていた、安全確保のための原子炉の改修費用が、最終的に2億ユーロに跳ね上がり、結果的に欧州全域では250億ユーロ(2兆5,000億円)の費用が必要なことを、今回の草案が明らかにしました。

この草案はさらに、改修が必要な111基の原子炉のうち、47基の原子炉の周囲30キロ以内に100,000人を超える住民が暮らしていることも指摘しました。

ストレステストは仮にフクシマ型の原子力災害が欧州で発生した場合、被害を最小限に食い止めるために実施されました。
しかしいくつかの原子炉では、福島第一原発のはるか以前に発生した事故によって必要とされた対策すら、実際には行われていなかったという、緊急性の高い課題も明らかにしました。
この点について、報告書が以下のように警告しています。
「原子力発電所の安全を確保するため必要な対策が、スリーマイル島とチェルノブイリの事故の結果明らかにされました。
しかしそれらの事故から数十年が経過した今日においてさえ、いくつかの加盟国では、それすら実施されていなかったことが、今回のストレステストにより判明しました。」

水を送るための配管が、さび付いてしまった緊急炉心冷却装置


今回のストレステストでは、国名は明らかにされませんでしたが、2か国の4基の原子炉は、もし全電源喪失に陥った場合、一時間以内に電源が回復されないと事故が始まってしまうことが明らかになりました。
しかし一方では今回のテストでは、最も危険性の高い原子炉がどれなのかについて、そして多くの原子炉が抱える共通の安全上の欠陥とは何かを、明確に特定することはできませんでした。

欧州連合の原子力規制委員会は、これらの原子力発電所の周囲で生活する住民に過度の警戒感を抱かせないよう、報告書を完成させる際には、表現方法について十分に配慮するよう求める声明を発しました。

今回のストレステストは、英国内の原子炉についても、安全対策の不備を指摘しました。
ほとんどの原子力発電所では、主制御室が放射能汚染によって近づけなくなった場合、代替となる制御室がありませんでした。
これに対し英国エネルギー省は英国BBC放送に対し、イギリス国内の原子力発電所が安全では無いことを証拠立てるものは無い、と主張しています。


一方今回の警告は、原子力発電の継続に反対する団体などの、違った角度からの批判を招きました。
危険性の本質を突くものとは、とても言えたものではないというものです。
今回の調査は古ぼけた設備、質の良くない職員、テロ攻撃を防ぐことができない施設など、問題が発生しやすい原子力発電所の危険性について、踏み込んだ調査を行っていないと批判しています。
「本気で調査するつもりなら、監視委員会は古くて劣化が進んだ原子力発電所の廃止に踏み込むべきなのです。」
経験豊かなドイツ緑の党の党員であり、欧州緑の党グループ・欧州自由連盟の共同党首であるレベッカ・ハームズが英国BBC放送の取材に対し、こう答えました。

明確な理由は明らかにしませんでしたが、今回の草案ではフランスについては別格の扱いをしています。
フランスは全電力の8割を原子力発電によって賄う、欧州最大の原子力発電国家です。
国内には58基の原子炉がありますが、そのすべてについて問題があるとされました。

フランスでは福島第一原発の事故の後、19の原子力発電所と58基の原子炉について独自のストレステストを行い、対策済みだとしていました。
フランスは福島第一原発の事故後も原子力発電への投資を継続していましたが、隣国ドイツではアンゲラ・メルケル首相が率いる保守政権が、2022年までの原子力発電の廃止を決定しました。

パリ郊外、リュザンでの反原発デモ隊と警官隊


フランスの核監視機関であるASNは、フランス独自の基準により安全は確保されているが、今後は洪水や地震など、より過酷な災害にも持ちこたえることができるように、全原子力発電所に対し、追加の安全対策を施す方針であることを明らかにしました。

今回明らかにされた草案では、欧州連合が来年、「原子力発電所事故が発生した場合、手厚い被災者の救援を可能にする」保険と実効性の高い法案を、提案する予定であったことにも言及しています。

http://www.independent.co.uk/news/world/europe/europes-dangerous-nuclear-plants-need-25bn-safety-refit-8196457.html?origin=internalSearch
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日本の電力料金の仕組みの中、「総括原価方式」というものが、きわめて事業者にとって都合が良く、消費者にとって不利なものであるかを教えてくれたのが、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏の著書『原発のウソ』でした。

仕組みを簡単に見て見ましょう。
一般企業は商品を製造販売する時、でるだけ品質の良い物をできるだけ安くしなければ、売れるものではありません。
そのための努力を全工程で行います。
それがうまく行かなければ、商品は売れないし、利益も取れません。

ところが電力料金は違います。
直接原価も、設備費や広告宣伝費のような間接原価もすべてそのまま原価に繰り入れ、そこに利益を上乗せして価格設定することを、保障されているのです。
俗な言い方をすれば、私たちは電力会社の『言い値』で電気を買わされています。

今後、原子力発電を続けるためには『安全対策』に莫大な費用が掛かりますが、それを負担させられるのは私たちです。
そしてもちろん、これまでの原子力安全・保安院の、これからの原子力規制委員会の運営費用を負担させられるのも、私たち納税者です。
8割が原子力発電に反対しているにもかかわらず、原発が動けばその費用を負担することになるのは私たち国民です。

しかも国会議員として、一般国民と比べてはるかに高額の報酬を受け取っている政治家が、「三党党首会談」に象徴されるように、欲ボケた権力の奪い合いばかりに血道を上げ、福島第一原発の事故の収束と避難民の方々の人生の立て直しなど、まるで眼中に無い有り様です。
彼らの議員報酬を負担しているのも、私たち国民です。

どう思われます?

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【 深まる秋 】

アメリカNBCニュース 10月17日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

ロンドン、ハイドパーク。英国


シェフィールド・パークガーデン。イングランド南部。


ティーアガルテン、ベルリン。ドイツ。


ダーナム・マッセイパーク、ナッツフォード、イングランド。


タットンパーク、ナッツフォード、イングランド。


ワシントン州スポケーン、アメリカ合衆国。


右半分は鏡への映り込み。ハノーヴァー、ドイツ。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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