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【世界中の市民たちが闘っている! – 2012年 世界のメーデーの最前線で】

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所要時間 約 12分

「国家の政策に、企業が一番影響力を持つのはもう許せない!」
「政治家は、銀行のあやつり人形に成り下がってしまった」

アメリカCBSニュース 5月1日


〈マニラ〉

今年のメーデーの最前線では、これまで通りのスローガン、のぼりやデモ行進に加え、集まった人々の間に抗議の声が一層強く上がることになりました。
人々は怒り、恐怖や絶望、あるいは高揚感を表現していました。

ヨーロッパの失業者たちは緊縮政策を避難し、アジアの労働者達は賃金の引き上げを、アメリカの抗議する人々はウォール・ストリートにひしめく企業を非難していました。
1日火曜日にデモに参加した人々は労働者としての権利を主張する以前に、厳しい歳出削減、課税の強化、そして高い失業率に怒りをあらわにしていました。

この抗議活動が重要な国政選挙の数日前に実施されることになったフランスとギリシャでは、国の指導者たちが景気回復の希望の芽を摘み取るようなことばかりしていると、その経済政策に怒りの矛先が向けられました。
スペインでは抗議集会が極端な悲観論で覆い尽くされ、今にも壊れそうなこの国の経済が、ヨーロッパの債務危機の要となっていることを象徴していました。

一方で高揚感や国の威信を示そうとした集会もありました。
ロシアで行われたデモ行進には10万人以上が参加し、口々にプーチン政権支持の声を上げていました。
フランスでは数万人の労働者がデモ行進し、今週限りでニコラ・サルコジ大統領の保守的なリーダーシップが、終わりを迎えることへの期待が高まっていました。


〈パリ〉

アメリカ国内では昨年秋に『ウォール街を占拠せよ!』運動のキャンプが撤去されて以来、デモ行進、ストライキ、そして不服従運動などが企画され、最も注目される抗議活動が展開されることになりました。

ニューヨークでは数百人の『ウォール街を占拠せよ!』抗議者たちとその支持者たちが五番街の路上に溢れ出し、警官隊によって歩道に押し戻される騒ぎがありました。
暴徒鎮圧装具に身を固めた警官隊が歩道にデモ隊を押し戻しましたが、この間交通がマヒすることになりました。
抗議者たちが声をそろえて叫んでいました。

「私たちが国民なのだ!私たちは団結する!」


〈ニューヨーク〉

マンハッタン地区の銀行やその他の企業対するピケに出発する前、およそ100人の抗議者たちがブライアント公園に集結していた、とCBS局内にあるAMラジオ局のWCBSニューヨークが報じました。
抗議活動を組織した団体からデモ隊に対し交通を遮断してしまうよう呼びかけがありましたが、目立った混乱は起きませんでした。

「企業が議会に圧力をかけて国の政策が捻じ曲げられてしまう光景を、私たちはさんざん見せつけられてきました。」
『ウォール街を占拠せよ!』の主催者の一人であるアレクシス・ゴールドスタインがWCBSに語りました。

トウモロコシの粉と思われる白い粉末を入れた脅迫状が、いくつかの機関に送りつけられました。
このうちの3通は5月1日に届きましたが、2通は報道機関であるウォールストリート・ジャーナル社、フォックス・ニュース社へ、残る1通はシティバンク・グループ本社宛てのものでした。
中のメッセージにはこうありました、『楽しいメーデーを…』。
前日には7通が銀行各社、そしてマイケル・ブルームバーグ・ニューヨーク市長に届きました。

フィラデルフィアでは2名の活動家が『フィラデルフィアを占拠せよ!』抗議行動中に逮捕された、と警察が発表しました。
100人以上のデモ隊は銀行が立ち並ぶ市内の繁華街をデモ行進し、街の中心部に向かいました。
デモ隊がウェルファーゴ銀行の支店前に集結すると、網の目になった道路上で交通がストップし、抗議者たちは数ブロックの間を行進し、車がひしめく道路上で座り込みを行いました。


〈フィラデルフィア〉

アトランタでは約100人が、不法移民を対象とする法律が昨年可決されたジョージア州議会議事堂の前に集まりました。
彼らは移民法を強化するため、州政府と連邦政府のが歩調を合わせるのをやめるよう求めていました。

シカゴの繁華街では、バンクオブアメリカの支店の前に75人が座り込んで入り口を封鎖していた、とCBSの系列局WBBMシカゴが報道しました。
警官隊が出動しましたが、1日の午前中時点で逮捕者はいません。
この後座り込みを行っていた人々は、移民の権利を守るグループに合流するため公園に向かいました。
この後再び繁華街に戻り、一緒にデモ行進を行う予定です。

こうした平和的な抗議活動の一方、クリーブランドでは3人のアナーキストを含む5人が橋の爆破を目論んでいました。
しかしFBIのおとり捜査員が紛れ込み、爆発物が動作しないよう処置したため、一般市民への脅威は発生せずに済みました。
この後FBIが全員逮捕しました。
『クリーブランドのメディアを占拠せよ!』のコーディネイターのヤコブ・ワグナーは、逮捕された容疑者のうち数人が彼らの集会に参加していたが、連携しての活動は無かったと述べました。

ボストンでは昼間人々が市役所までのデモ行進を行う一方、夜には『資本主義の死のための路上葬儀』が計画されているとWBZボストンが伝えました。
ボストンの抗議活動グループは、仕事や学校、そして買い物に行かずにデモに参加するよう呼びかけています。

サンフランシスコでは、フェリーを運航する労働者が『ウォール街を占拠せよ!』抗議者たちと一緒にストライキに入ったため、ゴールデン・ゲート・フェリーサービスが運行を休止したと、CBS系列局KCBSが伝えました。
休止は午後2時まで続き、約6,000台の車両に影響が出ました。
50人の港湾労働者がサンフランシスコ・フェリー埠頭でピケを張りました。
『ウォール街を占拠せよ!』抗議者たちがゴルデン・ゲート・ブリッジの封鎖を試みましたが、繰り出したヘルメット、警棒を装備した警官隊に阻止され、ラッシュアワーの通行は確保されました。

オークランドでは少なくとも4人の活動家が金融機関の保管庫に侵入しようとした、として警官隊が催涙ガスを発射しました。
市役所付近で交通妨害を行おうとした数百人に向け、警官隊がガス弾を発射したかどうかは確認がとれていません。
同じオークランド市内のレストランでは、メーデーのデモ達の数十人が占拠しようと入り込み、中にいた従業員や常連客、オーナーとの間で衝突が起きました。
警官隊が駆けつけるまでの短い間、双方は取っ組み合いを演じましたが、原因はメーデーの抗議活動の実行委員会が『ゼネスト』を呼びかけたにもかかわらず、このレストラン『ルディーの何でも美味しいカフェ』が営業を続けているのに対し、デモ隊の一部が激高したためでした。
結局このレストランは、営業を続けました。

ロサンゼルスではロサンゼルス国際空港の近くの大通りが、組合労働者がメーデーのストライキや抗議行動のステージにしてしまったため、交通がストップしました。
数百人の空港労働者がセンチュリー大通りをデモ行進したため、警官隊がこの通りを通行止めにしました。しかし大きな混乱は報告されていません。
航空機の客室清掃や小荷物の集配などを行う非正規労働者が、待遇の改善を求めて一日間の抗議行動を行ったのです。

また移民問題の解決と経済的平等の実現を求め、大勢がロサンジェルスの繁華街でデモ行進を行いました。

シアトルに現れた全身黒ずくめの一団が繁華街で窓ガラスを割り、道路を走り回って交通妨害を行いました。

そして再び海外では、暗く重い灰色の空がこの国が置かれた状況を象徴するマドリッドで、25歳のアドリアナ・ハイメがこう打ち明けました。
3カ国語を操り、大学で通訳としての資格を取得したにもかかわらず、大学で半端仕事と蔑まれるような職ではあっても3年間働ける予定でしたが、それが3ヶ月に短縮されてしまいました。失業して6ヶ月になる彼女はどんな明るい未来も描けない、と肩を落としました。
「私はこの国の若者には未来が無いことを訴えるため、ここにやってきました。」
彼女はマドリッドを南北に貫く大通りの上を歩きながら、国の保険政策、教育予算のカット、その他の緊縮策を糾弾していました。
たくさんの人々がアルファベットのOの文字の中にはさみを描いた白と黒の『NO』の看板を掲げていました。

スペインの首相マリアーノ・ラホイは、肥大した赤字を削減し、スペイン財政の信頼を取り戻し、24.4パーセントに上る失業率を下げようと必死の努力を続けています。
そしてEUからの資金援助に頼るしかないギリシャ、アイルランド、ポルトガルのグループに自国も入らないよう奮闘しています。

44歳の公務員のアナ・ロペスは、一般労働者の救済に政府は冷淡で何もしないし、経済危機を利用して銀行が利益を得ていると主張します。彼女にとって今年のメーデーはこのことを訴えるため、特別の意義がある、と語りました。

「この国には現金が無い訳ではないのです、どこかに飛んでった訳ではないのです。あるべきところに無いだけなのです。今は銀行がしっかりと抱え込んでいます。」
「そして政治家は、銀行のあやつり人形に成り下がってしまいました。」


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国民ひとりひとりの声より、まず企業の要求を通す日本の政治。
原発の問題に至っては国民の要求を無視し、『一部の業界』あるいは『一部の経済人』の要求を通そうとすらしています。
「いつものことだ、仕方が無い…」
と今回もあきらめますか?

世界の名も無き人々、市民たちはあきらめていません。
私も次の世代、自分も懸命に育てた子供たちに、このままの姿の日本を引き継ぐのは申し訳ない、と思っています。
私たちはひとりではありませんし、真の民主主義を願う人々は世界中にいます。

私の好きな作曲家アロン・コープランドの「名も無き市民のためのファンファーレ」(一般的な邦題は「市民のためのファンファーレ」これではこの曲の真意が伝わりません。the common man という原題には「名も無く、地位も無い平凡な市民、しかし人間としての良識をしっかり持っている人」の意味が込められていると思っています。)という、短いながら素晴らしく感動的な曲をお聴きいただけませんか?
これから息の長い戦いに取り組もうとなさる皆さんにお贈りします。

 

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