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【 内戦再発に怯えるレバノン、政治危機・宗派間の対立が深刻化、各所で銃撃戦 】

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所要時間 約 9分

双方の指導者、事態の鎮静化を呼びかけ

ドミニク・エヴァンス、アンガス・マックスワン/ロイター/アメリカNBCニュース 10月22日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

先週上級情報将校が暗殺され、シリア内戦の余波で緊張が高まる中、レバノン軍はこれ以上騒乱が拡大するのを防ぐため、実力行使に出ることを宣言しました。

軍司令部は、政治勢力各派に対し、これ以上対立を煽るような行動に出ないよう警告する公式声明を発表しました。
これは22日月曜日朝、ベイルートの南郊で軍と武装勢力の銃撃戦が発生し、5人が負傷した事態を受けての処置ですが、一部はタイヤを燃やすなどして道路封鎖を続けています。

レバノン北部の都市トリポリでは、前日の夜から朝まだ続いた騒乱により、9歳の少女1人を含む4人の市民が死亡、12人が負傷したことを、治安当局、病院それぞれが確認しました。

22日朝になっても、がれきが燃え続けるベイルート市内。


レバノンは長く続いた内戦の後、微妙な政治バランスの上に均衡を保ってきました。
しかし隣国シリアで続く内戦が徐々にレバノン国内にも影響し始め、シリア政府に近い立場のレバノン政府とバシャール・アサド大統領に反発を強める人々との間の対立が先鋭化し、各所で衝突事件が起き、かつての内戦のような新たな流血の時代の訪れが懸念されています。

シリア政府への反対の立場を鮮明にしていたレバノンのウィサム・アル・ハッサン准将が19日金曜日、自動車爆弾によって暗殺され、国内の緊張が一気に高まりました。
多数の政治家が今回暗殺の背後にはシリア政府の存在があると非難し、20日日曜日、ハッサン准将の葬儀が終わると、怒りに駆られた民衆が中央政庁に押し掛けました。
民衆の指導者はナジブ・ミカティ首相の辞任を要求しました。
現政権はシリア政府に近すぎ、レバノンの軍事勢力のヒズボラがミカティ首相の私兵と化していると非難しました。

治安回復のため派遣されるレバノンの正規軍。


「この数時間、事態は極めて重大な危機的状況に陥り、各所で続く対立による緊張は、かつてない程高まっている。」
この事態に対し、郡当局が声明を発しました。
「我々は治安の回復のため、そして殉教者であるウィサム・アル・ハッサン准将暗殺のような事件が2度と起きないよう、宗派対立、政治的対立により著しく緊張が高まっている国内のあらゆる場所で、最終手段に出る用意がある。」

21日月曜日、装甲兵員輸送車によって運ばれてきた重装備の兵士たちが、各官庁の建物と周辺の交差点などに展開し、有刺鉄線とコンクリート・ブロックを使って一帯を封鎖しました。

軍事衝突に巻き込まれることを恐れる一般市民は自宅から一歩も出ず、このためベイルート市内は普段とは全く異なる静寂に包まれました。
ふだんは交通渋滞で身動きもままならない交差点を通る車は一台も無く、人でごった返すはずのカフェは店を閉めるか、開いてはいても客は一人もいませんでした。

レバノンの人々は1975-1990年の15年間続いた内戦を忘れることはできません。
ベイルートは虐殺の場の代名詞となり、街の大部分ががれきの山と化しました。

子どもたちの通学に付き添う父親。10月22日ベイルート市内。


内戦の終了後、人々は懸命に再建に取り組みました。
その結果地中海と中東を結ぶ交易と金融の中継地として、そしてもともと『地中海の真珠』と言われた程の観光資源を生かし、再びこの地に繁栄を取り戻したのです。
そのすべてが今、再び脅かされようとしています。

▽市街戦

21日朝の衝突は首都ベイルートの南郊にある、スンニ派イスラム教徒とシーア派イスラム教徒が隣り合って暮らすタリク・アル・ジャディタ地区で発生しました。
この地の住民は両派の武装民兵が、小銃やロケット・ランチャーを装備している姿を目撃しました。
トリポリでは9歳の少女が狙撃兵によって殺害された他、2名が死亡しました。
救急隊は他に9名の負傷者を搬送しました。
情報によれば死亡したのはスンニ派イスラム教徒の男性2人で、アラウィ派イスラム教徒との間で銃撃戦、ロケット砲の打ち合いにより死亡しました。
この日の衝突で、アラウィ派イスラム教徒の居住地区では女性1人が死亡、他に3人が負傷しました。
トリポリではシリア内戦で対立する2派にそれぞれ同情的な、スンニ派イスラム教徒とシーア派イスラム教徒の衝突事件が度々起きていました。

レバノン政府の正規軍。


数千人が参加してベイルートの繁華街マルティル広場で、国家の最高の栄誉が与えられたハッサン准将の葬儀が行われましたが、式の進行とともに人々の興奮が高まっていき、結果的に暴力のエスカレートにつながってしまいました。
葬儀の終了とともに数百人の参加者が、近くの首相官邸を襲撃しようとし、これを鎮圧しようとして治安部隊が催涙ガス弾を発射し、さらには空に向け威嚇射撃を行いました。

▽暴力をやめるよう野党指導者が呼びかけ

「暴力はやめてください。政府の追及は必要ですが、それは平和的手段で行わなければなりません。通りにいる皆さん、武器をしまってください。」
サート・アル・ハリリ元首相が日曜日の夜、このように呼びかけました。
今回の危機は、すでに19ヶ月の間続いているアサド政権に対する武装蜂起が、隣国レバノン、トルコ、ヨルダンに波及してしまうことへの国際社会の懸念を裏書きすることになりました。

シリア国内ではスンニ派が率いる反乱軍が、アサド政権打倒のために戦っています。
アサド大統領自身はシーア派イスラム教の、さらに分派である少数派のアラウィ派に属しています。
そしてレバノン国内でも、アサド政権を支持するアラウィ派と、対立するスンニ派イスラム教徒との居住地区は明確に分かれているのです。

ハッサン准将の国葬


亡くなった47歳のハッサン准将は、8月に発生した爆弾テロに関わったとして、レバノン政権内でアサド政権を支持していた閣僚を逮捕に関わりました。
スンニ派イスラム教徒である准将は、2005年にも当時のラフィク・アル・ハリリ首相暗殺事件の捜査を行い、シリア政府とシーア派の武装組織ヒズボラが関わったことを明らかにしました。

▽シリア政府とヒズボラ、ハッサン准将暗殺を非難

ミカティ首相は、国家内の分裂を防ぐため辞任を申し出ましたが、ミカエル・スレイマン大統領はともに政治的危機を打開することが先決だとして、慰留しました。

アメリカ合衆国、中国、ロシア、英国、フランス各国から派遣された特使がスレイマン大統領に面会し、事態を平和的に解決することの大切さを説きました。
各国の特使は、各派の政治家同士による話し合いにより、事態を収束に向かわせようとするスレイマン大統領の取り組みへの支持を表明しました。


西側の外交官の一人が、ミカティ政権継続の可能性について尋ねたロイターの取材に、こう答えました。
「いますぐどうこうという事にはならない、その可能性は、昨日より今日の方が高くなっていると思います。しかし、宗派間の対立を解消し、治安を回復するには相当の時間がかかるでしょう。」

http://www.msnbc.msn.com/id/49500505#.UIXjmmcyXq4

 

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