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【 安倍政権による自由主義社会の否定、市民社会への挑戦 】

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所要時間 約 7分

自由主義社会で、最も整然とした抗議活動を行う日本の市民
世界で最も礼儀正しい市民を、平然と『テロリスト』呼ばわりする自民党幹事長
民主主義が保障する市民の権利を行使すれば、罪に陥れられるという恐怖が日本で現実になってしまう

エコノミスト 12月3日

 特定秘密 1
日本の一般市民による抗議行動は、自由主義社会において最も秩序だった整然としたものでありながら、日本の警察によって自由主義社会で最も厳しい取り締まりを受けています。

11月26日、国会の両院において過半数の議席を独占する与党自由民主党が、論議の的となっている特定秘密法案を衆議院を強引に通過させました。
この事態を受け、英国から派遣された特派員は、国会の外で一列に並び、この法案に反対するサインボードを静かに掲げている市民たちの様子を観察しながら歩いてみました。

その中で最も- 飽くまでその場の人々の中で - 暴力的であったもの、それはメガホンで法案反対のシュプレヒコールを叫びながら、空に向かってこぶしを何度も突き上げていた一人の女性でした。

現実はそのようであるにもかかわらず、法案を通過させた3日後、自民党幹事長で党内の実力ナンバー2の石破茂氏は、自由主義社会で最も整然と抗議活動を行う人々をテロリスト同様の存在であると、そのブログに書き込んだのでした。

特定秘密 3
11月21日は東京の中心部において講義をする人々の数は相当数に上り、万を数えるまでに膨らみました。
そしてこの日、国会に向け行進をしていた抗議者の中心となっていたのは比較的年齢の高い人々でしたが、国会議事堂に近づくと警察から掲げていたのぼりや旗を降ろすよう命令されると、みな素直に警察の指示に従いました。

それにもかかわらず石破氏は、そのブログにこう書き込んだのです。
「単なる絶叫戦術は、その本質においてテロリズムの行為と何ら変わるところは無い」

この書き込みに対してはさすがに嵐のような批判が巻き起こり、石破氏は態度を軟化させざるを得なくなり、いち早くその表現を撤回しました。
12月1日の演説において石破氏は抗議活動の騒がしさについてのみ言及しテロリズムの定義については明言することを避けました。

特定秘密 2
しかし時すでに遅し、石破氏の書き込みは現在の安倍政権のアンチリベラル、非市民的性格を暴露しただけでなく、一般市民の今回の法案に対する幅広い不安をかき立てる事になりました。
それでも自民党はこの法律の国会通過を強行しようという態度を変えてはいません。

この法律之成立により、4つの分野において国家機密を漏洩した政府職員に対し、最高10年の禁固刑を科す事が可能になります。
防御、外交、敵対的スパイ活動とテロ対策の4分野です。
しかし法律の条文の表現はきわめて曖昧で、政府が常軌を逸脱した範囲の情報をすべて国家機密であると規定し、国民の手の届かないところへしまい込んでも、それを抑止する手だてはありません。

野党の中で著名な政治家の一人、山本太郎議員は次のようにツイートしました。
「石破氏に感謝!彼の書き込みのおかげで、秘密保護法が成立したら、政府に対し批判的言動を行った人間がどのような扱いを受けるかはっきりしました。」

特定秘密 5
石破氏の書き込みはこの法律について、さらなる懸念がある事を気づかせる事になりました。
原子力発電所の再稼働に反対する抗議行動を禁止するために、テロリストの標的にされる恐れがあるとして、特定秘密保護法が拡大運用される可能性があります。

野党の民主党、維新の会、その他の野党5党が揃って、石破氏の書き込みは「常軌を逸した暴言」だとして一斉に反発しました。
今回の法律のテロリズムの定義も、あまりに漠然としている事にも留意するよう、野党側が呼びかけています。

今回の法律成立の立役者である安倍晋三首相は、特定秘密保護法は国家の安全を強化するものだとの主張を続けていますが、国民からはきわめて厳しい視線を向けられている事を痛感せざるを得なくなりました。

2012年12月に政権の座について以来、安倍政権への支持率が今回初めて50パーセントを割り込みました。
12月1日に朝日新聞が発表した世論調査の結果は、安倍政権の支持率は前回の53%をさらに下回り、現在49%にまで低下しました。

石破01
石破氏の書き込みの、逆の意味での貢献は明らかです。

http://www.economist.com/blogs/banyan/2013/12/japan-s-illiberal-secrecy-law?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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「世界で最も礼儀正しく政治的主張を行う国民に浴びせる言葉が、それなのか?」
そんな厳しい指摘が聞こえてきそうな記事です。
まったくその通りです。
脱原発運動の際も、一部の心無い週刊誌(日本最大の発行部数を呼号する新聞社の傘下の週刊BS)が、首相官邸前の抗議行動でリーダー的活動をした市民の個人攻撃をしたことがありました。

自分たちは一定の影響力を行使し得る、そう考えた上での発言であるだけになおさら悪意を感じます。

記事中の山本太郎さんの言葉を借りれば、この発言のおかげで私たちがしなければならないことがはっきりしました。
闘う市民になる事です。
相手は礼儀正しくすればするほど、そこにつけこんでくる類いの人間。
これ以上、近代的民主主義が保障する権利を奪われないためには、私たち日本人は闘う市民になる必要がありそうです。

これで世界の世論をリードする米国のニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、英国のエコノミスト、ザ・インデペンダントが日本の特定秘密保護法とその成立を強行した安倍政権に批判的なことがはっきりしました。
明日はさらに英国の良識ガーディアン紙はこの問題をどう伝えているか、ご紹介する予定です。

 

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