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【 守られる人々 vs. 貧しい人々 】

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所要時間 約 10分

日本の格差の原因は、一部の大金持ちがつくりだしている訳ではありません
日本の職業社会にみられる『悪平等』、それは是なのか非なのか?

エコノミスト 2月14日

THOMAS PIKETTY
トマ・ピケティのベストセラー「21世紀の資本」の中で、日本はここにきて急速に富の集中化が進行している国のひとつとして登場します。
そして日本はピケティのこの著作がよく売れている富裕国のひとつです。
今月東京を訪れたピケティ氏は、熱狂的な歓迎を受けました。
しかし日本には、ピケティ氏のテーゼが当てはまらない可能性があります。

1991年に日本の金融バブルが崩壊した理由のひとつに、当時の日本では富の集中がアメリカ・ヨーロッパほどには進んでいなかったことが挙げられます。
日本の上位10%の富の占有率は、平等国家として世界的に有名なノルウェーとスウェーデンよりも、さらに下回っています。
事実クレディ・スイス研究所が調査を行った先進46カ国の中で、日本よりも平等性が高いのはベルギーただ1国だけでした。

最裕福層が手にしている収入の額も、突出して高いというほどではありません。
役員報酬のレベルも、アメリカのように一般社員と隔絶しているというほど高くはありません。
ピケティ氏とウォールストリート・ジャーナルの共同調査では、日本の最富裕層1%による国内総収入の占有率は、キャピタル・ゲインを除き2012年には9.0%で、2008年の9.5%から下落しました。

富の配分
しかし、別の形での格差は拡大しています
最も重要なものは大金持ちとそうでない人々の間の格差、すなわち「資本」にまつわるものではありません。
特権的労働者、すなわち終身雇用によって守られている特権的幹部級社員と、労働市場においてその役割が大きくなっているにもかかわらず、不安定な派遣社員などの身分に甘んじなければならない人々との間に横たわる格差です。
将来に渡る保障の無い労働者の年収の平均が200万円前後であるのに対し、正社員の年間平均給与は約500万円です。
日本が本当に必要とするものはそうした類いの不平等ではなく、もっと別な形での正当な評価による選別であると、多くの人々が主張しています。

日本の職業社会では『悪平等』と呼ばれる状況がはびこり、仕事の成果や能力より、年功序列を優先する傾向があります。
この点についてモルガン・スタンレーのロバート・フェルドマンが、次のように語りました。
すなわち、労働者が働いた結果に応じて正当に報酬を受け取れるようになれば、日本経済はもっと早く成長軌道に乗ることができるだろうと。

むしろ日本においては企業家が画期的なサービスや商品を考え出すことが手来ても、それに見合うだけの金銭報酬が得られず、億万長者になれる機会もほとんど無いことの方が問題だと考えるべきです。
結果として新規事業を創造する分野においては、日本は慢性的に低いレベルにとどまり続けていることにつながっています。

貧困率
しかしこれらのいずれの理由も、日本国内でトマ・ピケティのベストセラー「21世紀の資本」が13万部以上のベストセラーになることの障害とはなりませんでした。
むしろ700ページに上る大冊のガイドブックは、タイミング的にも実に恵まれたものになりました。

安倍首相が進める日本の経済復興プラン、アベノミクスに対する疑問が拡大し続けていた状況の中での発行は、ピケティ氏の著書に注目されるべき絶好の機会を提供しました。
来日中にピケティ氏が指摘した通り、アベノミクスの株価上昇の誘導政策は、持てる者と持たざる者の資産の格差を拡大していたからです。

しかし皮肉なことにはこの時点で、安倍政権は経済政策として大企業に対し労働者の賃金を引き上げるよう、圧力をかけている最中だったことでした。

http://www.economist.com/news/finance-and-economics/21643202-problem-not-super-rich-secure-v-poor?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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読んでいて『ウーン』と考え込まざるを得ませんでした。
私はピケティ氏この記事も、ともに真実を突いていると思います。
この類の問題は白・黒をつけるべきものではなく、互いに意見が違う同士が議論し、答えを探らなければなりません。
それに比べ日本の国会は、特に最近は、結論ありきの『議論をしたというアリバイ作り』の場に堕してしまいました。
真の民主主義社会との『格差』を感じざるを得ません。

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【 恐怖と栄光 : ロイター写真報道の30年 】《3》

アメリカNBCニュース 2月13日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

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数々の受賞経験のあるロイター通信のカメラマンたちが、写真提供事業開始30周年を祝い、これまでの業績を振り返りました。
ロイター通信のカメラマンたちは、天災や戦争、そして経済破綻の様子を象徴する出来ごとなど、世界で繰り広げられた人間の悲劇や劇的な出来ごとを撮影し続けました。

彼らはレンズを通して見えたスポーツ、文化、ショービジネスそして世界各国の政治指導者や経済界の大物の姿を世に伝え、その写真はその時々を象徴する画像として人々の記憶に刻まれることになったのです。

2011年10月5日の払暁、北朝鮮の首都平壌、スポットライトの中に浮かび上がる建物の壁面に飾られた『建国の父・金日成主席』の肖像画。(写真上)

2010年4月22日アイスランド、噴火しているエイヤフィヤトラヨークトル火山の上空に出現したオーロラ。(写真下・以下同じ)
[カメラマン自身の解説]
火山灰による雲は第二次世界大戦以降最悪のものとなり、ヨーロッパ各地からアイスランドに向かう空路はすべて飛行不能に陥りました。
唯一残ったのが北アメリカからの空路でした。
私は夜通し飛行機に乗り、4月17日の早朝、ケプラヴィーク国際空港に到着しました。
レンタカーを借り、私は噴煙が上がり続ける東に向け車を走らせました。
現場に近づくにつれ、事態の容易ならなさが解り、何をおいても現場に駆けつけるといういつもの対応は極めて危険なことに気がつきました。慎重さが必要でした。

これ程の規模の噴火の様子を写真にとらえるには、気象条件に頼らざるを得ませんでした。
曇りなら噴煙は見えず、風が吹かなければ視界がききません。
噴煙の中で燃え上がる噴火の様子を撮影するため、私は灰で覆われて道路で数時間、シャッターを2分間ずつ解放した状態で待ち続けたのです。
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2010年8月7日パキスタンのパンジャブ地方、洪水で孤立した被災者の下に救援物資を運んできた軍のヘリコプターにしがみつこうとする人々。
このとき彼らが暮らしていた村には、さらなる洪水が迫りつつありました。
この洪水では1,600人が死亡し、1,200万人が孤立しました。
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2009年1月7日、ベールシェバ墓地で、戦死した僚友の死を嘆くイスラエル軍兵士。
[カメラマン自身の解説]
私は、2009年1月にガザ地区に対するイスラエルの攻撃が続く間、ロイターのエルサレム事務所の応援のためイスラエルにいました。
イスラエル軍兵士たちは、私にガザ地区の戦闘で死亡した兵士の葬式の様子を世界に伝えるためにベールシェバに行くよう依頼しました。
葬儀は始まりから悲しみに満ちたものでしたが、始まってすぐ墓地にロケット弾が撃ち込まれ、そこにいた全員が地面に倒れ伏しました。
何から何まで非日常的な出来事の連続でした。
墓地周辺は狭く、そこに大勢のカメラマンが押し掛けたため、葬儀の様子が見える場所を確保するのに非常な苦労を強いられました。
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2010年1月13日、ハイチで発生した巨大地震の後、ポルトー・プランスでけがの治療を受ける子供。
マグニチュード7.0の地震は大統領府を始め大量の建物を倒壊させ、30万人を超える死者を出す巨大惨事になりました。
ハイチにはもともと困窮者が多く、国際社会の支援なしにはどうしようもないところまで追いつめられてしまいました。
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http://www.nbcnews.com/news/world/terror-triumph-30-years-reuters-photography-n305881

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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