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『特に子ども達にとって、福島はもはや安全ではない – 国際社会の多くの専門家たちが主張』

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所要時間 約 7分

【 日本の放射能ジレンマ : 去るべきか、恐怖の中で暮し続けるのか? 】

米国CBSニュース/ルーシー・クラフト 2011年6月

この10年間、村上あきこさんは福島市の緑豊かな郊外で、花々を育て、四人の息子を育てる生活を送ってきました。
しかし今や彼女はここに住み続けて、はたして安全なのかどうか疑問に思っています。
CBSニュースレポーターのルーシー・クラフトが、彼女の家に放射線を測定するガイガーカウンターを持ち込みました。

この家は彼女と夫が12歳から21歳までの子ども達のために新築したのですが、ホットスポットとして知られる、高濃度の放射線を発するポイントに囲まれています。
「私は常に子ども達の事が心配です。」と彼女は語りました。
「私はいつも、ここに残るべきか、それともここを出た方がいいのか、その事ばかりを考えています。」

政府は年間被爆利用の制限を、福島県内に限り20ミリシーベルトまで緩めています。
それはマンモグラフィー検査(乳ガン検査)を、50回受けるのと同じ量の被爆をすることになります。
福島市は放射能を拡散している福島第一原発から40マイルの距離にありますが、日本政府はこれ以上の危険はもう無い、と住民に伝えています。

しかし多くの国際社会の専門家たち、さらには菅首相(当時)個人の原子力問題の顧問も反論します。
特に子どもたちとっては - 福島がもはや安全ではない、と彼らは主張しています。

低線量放射線の長期的な影響が不明であるにもかかわらず、 政府が安全限界を緩めた後、住民たちは抗議するために東京を訪れました。

不確実性は、特に学校の生徒たちに影響を与えています。
渡利中学校では、常にスポーツと学業成績のために際立っていました。
しかし、今ではもうひとつの好ましくない特徴を持っています - 福島市で最も汚染された学校のひとつ、というものです。
放射線の脅威はしっかりと窓を閉め切った校舎の中に、子ども達を閉じ込めてきました。
女の子は剣道の練習を通して汗をかいています。
一方、屋外でするべき競技も、今は室内で行われています。
サッカーのチームは陸上競技部と学校の体育館の四分の一ずつを使い、窮屈な思いをしながら練習項目を絞らざるを得ません。

「私の仕事はこの学校の子供たちを見守り、子ども達が成長する事を支援することです。」と斎藤校長は語りました。
「しかし、こんな条件の下で、私は自分の仕事をちゃんと行うことなどできません。今私にできることなど何もないということに、私は怒りとフラストレーションを感じるのです。」

政府は何とか対策をとろうとはしています。
セシウムを含んだ表面の土が学校の校庭から削り取られています。しかし、人口30万の都市で、単純に考えてもそれらすべてを取り除くことは不可能です。
そのために、親たちは子どもを連れて街を出て行く事で、無言の意思表示をしています。

こどものいえ・そらまめでは、数人の子どもたちが取り残されています。
ほかの子供たちのほとんどは、両親と一緒に街から出て行きました。
創設者の門馬貞子さんは、この施設の運営を続けると心に誓っていると、私に話してくれました。
しかし、彼女はもはや家賃を支払うことができなくなっています。

「世界中の人々が、こう思ってるに違いありません。『いったい全体、日本のどこが間違っているのだろう?どこに危機意識があるというのだろう?』と。」
そう彼女は語ります。
「なぜ私たちの政府は、私たちを守ってはくれないのでしょう?」

そうするうち、村上あきこさんは最悪のシナリオを考えているうちに、不眠症に陥ってしまいました。
「私の最大の心配は、私の子供の健康です。」と彼女は言いました。
「10年後、20年後、子どもたちの健康にどんな問題が起きるか、心配でなりません。ガンになってしまうかもしれませんし、私が知らないような病気になってしまうかもしれません。もしそうなってしまえば、責任は私にあります。」

恐怖から逃れるためには、村上さんの家族も街を出て行く以外、選択肢は無くなろうとしています。


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この記事を読んでつくづく思うのは、日本の報道の良心についててです。

日本の大新聞は一軒一軒の一般世帯が毎月の購読料金を支払って新聞購読をする事により、「大部数」が実現しています。
新聞社はその部数を根拠に、紙面掲載広告を集めてきて収益にしています。
「新聞購読料と広告掲載料は、新聞社経営の両輪」などと言われる所以です。
日本の『公共放送』NHKが、広く国民全体から受信料を徴収し、経営資源としている事は今さら確認するまでもありません。

太平洋戦争が始まる前、日本海軍ですら『成算は無い』として開戦に反対だったものを、国民を煽って開戦に至らしめる原因のひとつを作ったのが当時の日本の新聞社でした。
加えて、戦争中は『大本営発表』というウソを右から左に流し続け、結局は原爆投下、ソ連の参戦、というところまで日本を引きずっていき、日本の敗戦をよりいっそう悲惨なものにした責任の一端も担いました。

あのとき、日本の本当の状況を国民に伝えていれば、国民は早期に戦争を終わらせる事を望んだでしょう。
アメリカのルーズベルト大統領がスターリンに、ドイツ降伏後のソ連軍を東に旋回させて日本に開戦するよう迫ったとき、最初のうちスターリンは首を縦に振らなかったと史書には記されています。
また、ルーズベルトの後を継いだトルーマンは、硫黄島の攻防戦におけるアメリカ軍の損害の凄まじさを見て戦慄、日本への原爆投下を決心した、と記されています。
敗戦・止戦が早まっていれば、沖縄戦、満州国移民(日本人)の虐殺、シベリア抑留、北方領土、そして原爆、これら諸々の問題は起きなかったもしれません。

そして現代、この稿のタイトルにした、アメリカCBS放送のこのたった一行の事実を、大新聞社も、大放送局も、日本の人々に伝えてはいません。
Many international experts claim that Fukushima is no longer safe - particularly for children.
「東京電力福島第一原子力発電所の事故に関する、日本の新聞社と放送局の報道」について、私たち日本人は、記録と記憶に刻み込んでいかなければなりません。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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