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「ゴキブリ!」「ババア!」:故国を離れて暮らす韓国朝鮮人への執拗ないやがらせが続く日本《前編》

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所要時間 約 8分

基本的人権の蹂躙が日常化、子供たちまで攻撃の対象にする日本の差別主義者達

極右の人間たちが虐待・差別発言をオンライン上で日常的に行うようになった

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年9月2日

日本国内で暮らす朝鮮人の李信恵(リー・シネ)さんは、政治的な緊張がたちまちに、そして残酷な形で生活の場に持ち込まれ、個人攻撃という形で自分に向けられたことを思い知らされました。
フリーランスのライターある李さんは昨年、日本の極右グループの在特会に対する名誉毀損の裁判に勝訴した後、公の場で望まないプロフィールを押しつけられることになりました。

在特会の元リーダーであった櫻井誠氏は李さんをオンライン上と路上でのデモの最中に「朝鮮ババア」と呼んでいました。

「私はこの日本で生まれたのですが、それでも在特会のメンバーたちはここを出ていけ、韓国北朝鮮に帰れと命令しているのです。」

 

現在、北朝鮮は大陸間弾道ミサイルの発射実験を繰り返し、日本の北海道沖にミサイルを撃ち込むなどし、東アジア地区における外交的危機を劇的に悪化させました。

こうしたことから北朝鮮との間に家族関係を持つ数万人の韓国朝鮮系の住民が、日本人が北朝鮮に向ける敵意がそのまま無関係の自分たちに向けられる事を恐れなければならない事態に陥っています。
日本国内には約600,000人の韓国・朝鮮人居住者がいますが、その多くは太平洋戦争当時に強制的に徴用され日本に連れて来られた人々の子孫です。

北朝鮮政府に150,000人が忠誠を誓う一方、全員がキム・ジョンウン政権の行動のために敵意を向けられているのです。

 

約600,000人の在日韓国朝鮮人のほとんどは、第二次世界大戦前と大戦中労働者として朝鮮半島から日本に強制的に徴用されてきた人々の子孫です。
このうち約15万人が北朝鮮の体制に忠誠を誓っていると言われます。

彼らは北朝鮮の事実上の大使館である朝鮮総連の傘下にある学校に子供を通わせています。
その教室には金日生の肖像画が飾られています。

 

このうち小学生の子供たちに対する言葉による虐待が明らかになったのは2002年、当時の金正日(キム・ジョンイル)朝鮮労働党総書記が1970年代から80年代、日本国民を拉致したことを認めた後のことでした。
北朝鮮のコミュニティにつながりのある学校は、嫌がらせメールや電話による脅迫を受けるようになりました。
女子生徒たちに関しては、朝鮮半島の伝統衣装であるするのをやめろという嫌がらせを学校が受けました。
現在も子供たちはチマゴリの制服を着ずに登下校を行っています。

 

そして2010年になると日本政府は今後朝鮮学校への公的補助金の給付を打ち切ると発表、学校側では多くの分野で資金不足が発生する結果となり、政策の転換を求る住民たちによる一連の訴訟を引き起こすことになりました。

大阪大学客員研究員の丸岡康子教授は北朝鮮のミサイル発射により、北朝鮮系の学校がさらなる嫌がらせや攻撃を受けるようになったと語りました。
「政治的状況が悪化していることについて、誰もが緊張感を持つようになっています。特に子供達が敏感になり、怯えてもいます。」
北朝鮮系の教育機関に対する公的資金拠出の削除に弁護士として反対する運動に関わっている丸岡さんがこう語りました。
「日本政府は今、また朝鮮によるミサイル攻撃について、国民の間に懸念をかき立ています。そして韓国に基盤を置くものなら受け入れることは可能だという雰囲気を作り出しています。そして北朝鮮は最早敵だとみなされ、その延長として日本国内にいる北朝鮮出身の住民も敵だとしているのです。」

日本国内の北朝鮮系住民社会に対する敵対心が再燃したのは、ちょうど10年前に北朝鮮政府が核実験に踏み切った年であり、キム・ジョンイル体制がミサイル開発を加速されるのに比例して過激になっていきました。
そして在特会をはじめとする極右集団が、韓国朝鮮人を「ゴキブリ」と呼ぶようになり、「死ね」「日本から出て行け」などというスローガンを掲げてデモ行進するようになったのです。

 

こうした状況に対し国連人権委員会から圧力がかかり、日本は昨年、ヘイトスピーチをはじめとする差別的な発言のこれ以上の拡大を止めるための法律を可決しました。
しかしこの法律は違反者に対して罰則を課すことはありません。
それでも差別を煽る集会等の数は、法律の発効後1年でほぼ半減しました。

 

その代わりに今度は極右の人間たちはその虐待・差別発言の大半をオンライン上で行うようになりました。こう語るのは日本で韓国朝鮮人の人権問題の解決に取り組む活動家のキム・ウーキさんです。
「近頃はオンライン上で常時敵意と偏見に満ちた書き込みが見られるようになりました。」

キムさんは第二次世界大戦の戦前戦中に、主に朝鮮半島から徴用された来た数万人の若い女性が従軍慰安婦とされ前線に送り込まれた史実を象徴する彫像の設置を支援するFacebookページを運営していますが、彼女は毎日多量の攻撃的な書き込みに直面しているます。
典型的な書き込みのひとつの例は、「従軍慰安婦」は今で言う風俗嬢であり、生き残った少数の女性たちは日本政府から補償を「ゆすりとろう」としていると主張しています。

これらのコメントには、フォトショップで加工された屈辱的な姿勢の少女像の卑劣な写真が添付されていることがあります。
「日本で暮らす韓国人として、こうした画像を見なければならないのは極めて不快なことです。」
キムさんがこう語りました。

 

〈後編に続く〉

https://www.theguardian.com/world/2017/sep/02/cockroaches-and-old-hags-hounding-of-the-north-korean-diaspora-in-japan

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アメリカで黒人差別が人権問題としてクローズアップされた1960年代、最も激しく差別をしたのが「プア・ホワイト」と呼ばれる社会的に最下層にいた白人達だったことは以前もご紹介しました。

アメリカン・ドリームを叶えたり、充実した教育を受け高い社会的地位を得たり、努力によって何事かを成し遂げた同じ白人と比較し、誇るべきものは肌の色が白いというだけの人間達でした。

相手が傷つきやすい心を持つ、自分と寸分変わらない人間だということをなぜ考えることができないのでしょうか?

差別などというものが愛国心などというものと何の関係もないことだけは、はっきりしているのですが…

 

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